一月のおさしづ
明治二十四年一月二十三日 午前一時
刻限御話
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さあ/\/\/\、これ/\どんな事もこんな事も、これまでは神一条で始めた道を、人間の心で始めたように思うて居れば、結構と思う。神一条の道とは何かの事も聞き取れ。古き道にどういう事も聞かそ。だん/\幾重休む処もある。今一時ならんと言えば、向こうへ/\走って行くような道を通して来た。人間の心はどうもならん。人間の思う心では何にもならん。おかしい事を言い掛けると思うやろう。もうどんならん。もう/\めん/\勝手を尋ねる。先々の処、どう成ろうこう成ろうと、案ぜ/\の道を通して来た。これまでの道というは、五十年以来の道は何でも彼でも通りて来た。言わば腰掛けたような道や。まあ/\長い間の処にてどんな事もだん/\仕込もうと思えども、そこまで行かなんだ。そこで一つ道を変えた。今まで聞いた道、腰掛けたような道、人間の心で始めた道か、尋ねてみよ。神に尋ねるのやない。人々心に尋ねるのや。さあ明日早々伝え合い、しっかり談示せん事には、何を尋ねてもすっきりいかんで。さあこれだけ諭し置く。
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さあ/\/\/\、これ/\どんな事もこんな事も、これまでは神一条で始めた道を、人間の心で始めたように思うて居れば、結構、と思う。
(さあ/\/\/\この道は、これ/\という事やどんな事もこんな事も皆世界救けの為であって、これまでは速やかに神の話を聞き分けて道の為世界の為に尽くそうとする誠の心を連れて通す神一条の理で始め掛けた道を、運びさえすれば誰でも結構に救けられるというような、人間並みの心で始め掛けた道のように思うて居れば、真に結構と思う理は一つも治まらんで。)
神一条の道とは何かの事も聞き取れ。
(真実誠の神一条の道とは、何かの事も神の思惑どおりに尽くそうとする誠の心一つに治まるという理をよう聞き取れと言うのや。)
古き道にどういう事も聞かそ。
(それだけの理を一人でも多くの者に治めさせてやりたいから、生涯何の楽しみも無く艱難苦労の中を通り抜けた教祖の古き道を台にして、どういう事も聞かそうと言うのや。)
だん/\幾重休む処もある。
(その為にだん/\と幾重の理を伝えなければならないが、一つ一つの理が治まるべき時旬を待つ為に、少しの間休む処もあるのやで。)
今一時ならんと言えば、向こうへ/\走って行くような道を通して来た。
(今の一時の処は時旬が治まらないからこれ以上先へ進む事はならんと言えば、どうしたら良いか分からなくなってしまうであろうが、そこを切り開く天然自然の順序の理を拵える為に、反対側の向こうへ/\と走って行くような道を通して来た事も有るであろう。)
人間の心はどうもならん。
(何処まで行っても人間の思うようにならない神一条の道に満足たんのう治めて運ぶ理によって、長い年限の間に積み重ねた親不孝因縁を払って心澄まし、今一時の結構を天に供えて道の為世界の為に尽くす理によって真実誠の種を撒き、あらゆる中を満足たんのう貫く理によって修理肥やしの理を治め、それだけの順序によって撒いた種を大きく育てなければ結構な先々の理は治まらないという事が分からんような人間の心は、どうもならんと言うのや。)
人間の思う心では何にもならん。
(人間の思うような心では、第一のスタートの理である天然自然の順序の理さえ治まらないから何にもならんのやで。)
おかしい事を言い掛けると思うやろう。
(それが分からないから、反対へ行くのも道だと言えば、おかしい事を言い掛けると思うやろう。)
もうどんならん。
(元々からこの世は神が支配をする神の世界であるから、神のさしづどおりに運ばなければ何も治まらないのは当たり前であって、もうどんならんという事に成るばかりやで。)
もう/\めん/\勝手を尋ねる。
(速やかに世界一列を救けたいばかりの神の思惑を尋ねて、何事も神の思惑どおりに運ぼうとしなければ神は働けず、神が働かなければどのような順序の理も治まらないという事が分からないから、もう/\めん/\が勝手な人間の道を尋ねるという事に成るのや。)
先々の処、どう成ろうこう成ろうと、案ぜ/\の道を通して来た。
(先々の処がどう成ろうとこう成ろうと、今さえ良ければ良いと思うような事であるから、本当にそれで良いかと思案をさせる為に、案ぜ/\の道を通して来たのやで。)
これまでの道というは、五十年以来の道は何でも彼でも通りて来た。
(これまでの道というは、これから創まる世界救けの道を世界中に知らせる為の仮の道であって、その為の善悪含めた多くの台〈見本、ひながた〉を拵える為の自由な道であるから、五十年以来の道は、何でも彼でも皆々の思惑どおりに通りて来たのやで。)
言わば腰掛けたような道や。
(それというは、皆々の真の心を現わして大きく受け取り、大きく返して道の理の恐ろしさを世界中に知らせる為の、言わば腰掛けたような自由気ままな道を通して来たのやで。)
まあ/\長い間の処にてどんな事もだん/\仕込もうと思えども、そこまで行かなんだ。
(まあ/\これ迄の長い間の処にてどんな事もだん/\仕込もうと思えども、都合の悪い事には耳に蓋をしてしまうような皆々の勝手心が邪魔をするから、そこまで行かなんだのや。)
そこで一つ道を変えた。
(そこで一つ道の理を変えたのやで。)
〈・・・速やかに神の話を聞き分ける事が出来るか出来ないかによって、先々の道が大きく変わるという理〉
今まで聞いた道、腰掛けたような道、人間の心で始めた道か、尋ねてみよ。
(今までに聞いて来た道や、色々なひながたを拵える為の腰掛けたような道も、人間並みの心で始め掛けた道かどうか尋ねてみよと言うのや。)
神に尋ねるのやない。
(神に尋ねるのやないで。)
人々心に尋ねるのや。
(もう一度原点に返って、これで良いかと皆々で思案をする為に人々の心に尋ねると言うのや。)
さあ明日早々伝え合い、しっかり談示せん事には、何を尋ねてもすっきりいかんで。
(さあ明日の朝早々に皆々に伝え合い、しっかりと談示をせん事には神の思惑どおりに運ぶ事に成らないから、何を尋ねてもすっきりといかん事に成るで。)
さあこれだけ諭し置く。
(さあこれだけの理を諭し置くから、しっかり聞き分けて運ぶよう。)
明治二十四年一月二十七日 夜九時
刻限
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さあ/\今一寸尋ねる処、だん/\の話をしてある。だん/\伝えて治まり掛けたる処、それから順序一寸治まりた。どうしても一時に治められん。もうこれどんな事も十分に説き聞かした。世上の処、何とも分からん。ばら/\になって、心配掛けた日柄は僅かにて、十分の道を付けようと思うて掛かりて、世上から何でも彼でも、打ち潰そうと思うて居る。危うい処も働き来た。あんな所によう理が有ったなあと言う。とても潰すに潰されん。もう/\潰れる理は無いと言えば、もう/\十分と思うやろう。なれどそこに一つ聞きよう取りよう、神の道、上の道、一寸言えば同じ。事情の道とは世上の道、神の道は胸の道。世上の道はどんな事して居ても、目にさえ見えねば通りて行ける。なれど胸の道は、皆身に掛かる。道に二つある、世上の道、胸の道。世上の道には、どんな穴が有るやら知れん、又剣が有るやら知れん。神の道は、胸三寸の道であるから、通ろうと思うても通れん。これさえ十分説き聞かせば、どんな事も皆治まる。前々の処にさしづ、内々事情、親族の事情を以て尋ね出よ、と諭したる。今まではどんな道も通して来た。一つにはどんな日もありた。又一つには三十年以来掛かり掛けた勤場所。なか/\の事情であった。親族事情には分かりゃせん。世上には皆親子兄弟と言うて、親族と言うても、兄弟何にも隔てる理は無い。どれだけ内々事情、親族事情と言うても、聞いて居るやろう、見て居るやろう、言うて居るやろう。三点三つ立て合い事情、しっかり親族事情治めてくれるよう。
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さあ/\今一寸尋ねる処、だん/\の話をしてある。
(さあ/\何かの事も神の思惑どおりに運ばせて貰おうという澄み切った心を定めて今の一寸尋ねる処を、速やかに聞き分けて実践しなければ次の道へ進めないという、だん/\の話をしてあるであろう。)
だん/\伝えて治まり掛けたる処、それから順序一寸治まりた。
(だん/\と神の思惑を伝えて、伝えた理がそれぞれの胸に治まり掛けたる処に、それからそれと治まる為の順序の理が一寸ずつ治まり掛けた、という事に成るのやで。)
どうしても一時に治められん。
(結構な先々の理が治まる為には、何処まで行っても人間の思うようにならない真実誠の神の救け道に満足たんのう治めて運ぶ事情により、長い間神の思惑に添えられなかった親不孝因縁を払った分だけしか治まらないのやから、どうしても一時には治められんのやで。)
もうこれどんな事も十分に説き聞かした。
(それだけの理を十分に聞き分けたなら、もうこれどんな事もこんな事も十分に説き聞かした、という事に成るのやで。)
世上の処、何とも分からん。
(それだけの事が分からない世上の処では、思うようにならない神の救け道に満足たんのう治める事が出来ないから神は働けず、何とも分からんという事に成るのや。)
ばら/\になって、心配掛けた日柄は僅かにて、十分の道を付けようと思うて掛かりて、世上から何でも彼でも、打ち潰そうと思うて居る。
(これまでの処の皆々の何とも分からん理によって、神の心と皆々の心がばら/\になってしまい、神に心配掛けた日柄は例え僅かにても、その残念の理を払わなければ次の道へ進む事が出来ないのやから、教えどおりの十分の道を付けようと思って掛かりても、第一にその残念の理を払わなければならない為に、世上からは何でも彼でもその掛かりかけた道を打ち潰そうと思うて居る、という事に成るのやで。)
危うい処も働き来た。
(その中を堪えて満足たんのう治めて通り抜けるなら、段々と残念の理が晴れて、先々通るに通れない危うい処も結構な先々の理が治まるよう神が働き来た、という事に成るのやで。)
あんな所によう理が有ったなあと言う。
(振り返ってみれば、あんな所にようあれだけの結構な理が有ったなあ、と言う事に成るのやで。)
とても潰すに潰されん。
(そうして一つ一つ立ち直った理が、世界に写し出して同じ道を通す為の真実誠の道の台と成るのやから、今はどれ程の残念の理が有ったとしても、とても潰すに潰されんと言うのや。)
もう/\潰れる理は無いと言えば、もう/\十分と思うやろう。
(それだけの話を素直に聞き分けて実践するなら、もう/\潰れる理は何処にも無いと言えば、もう/\十分な道だと思うやろう。)
なれどそこに一つ聞きよう取りよう、神の道、上の道、一寸言えば同じ。
(なれどそこにも一つの残念の理となる聞きよう取りようの間違いが生ずるのであって、この道には一人一人が直接神に尋ねて運ぶ神の道と、指導的立場の人間の口を通して教えられる上の道が有り、一寸言えば同じ道のように聞こえるが、人間の口を通せば、直々に神が胸の内へ入り込んで分かるよう知らしてやる事が出来ない事によって聞きよう取りようの間違いが起きるのやから、どのような者に教えられたとしても、一つ一つさしづの理に照らし合わせて運ぶ神一条の道やなければならんで。)
事情の道とは世上の道、神の道は胸の道。
(事情の道とは、過去の体験や事情に基づいて運ぼうとする世上の道であるが、神の道は、結構な先々の理が治まる澄み切った心に改めてやる為の胸の道やで。)
世上の道はどんな事して居ても、目にさえ見えねば通りて行ける。
(世上の道は神が自由自在に連れて通す事が出来ないから、例えどんな事をして居ても、もうこれ以上進む事が出来ないという事が目にさえ見えねば、通りて行けるであろう。)
なれど胸の道は、皆身に掛かる。
(なれど胸の道は、何が何でも結構な先々の理が治まるよう連れて通す神の道であるから、速やかに聞き分けて運ぶ事が出来なければ、一時の身上の理に変えてでもその残念の理を払ってやらなければならない為に、皆身に掛かるのやで。)
道に二つある、世上の道、胸の道。
(道には二つあるのであって、人間に教えられて運ぶ世上の道と、何事も神の思惑どおりに運ぼうとする誠一つを受け取って直々に神が連れて通す胸の道があるのや。)
世上の道には、どんな穴が有るやら知れん、又剣が有るやら知れん。
(自由自在に神が連れて通す事の出来ない世上の道には、先々どんな穴が有るやら知れん、又剣が有るやら知れんで。)
神の道は、胸三寸の道であるから、通ろうと思うても通れん。
(神の道は、何処まで行っても人間の思うようにならない苦しみの道によって、山のように積み重ねた親不孝因縁を払い、結構な先々の理の治まる澄み切った心に改めてやろうとする胸三寸の道であるから、勝手な人間の道を通ろうと思うても通れんで。)
これさえ十分説き聞かせば、どんな事も皆治まる。
(これさえ十分に説き聞かせば、どんな事も皆治まるで。)
前々の処にさしづ、内々事情、親族の事情を以て尋ね出よ、と諭したる。
(前々の処にて、世界導く善きひながたと成って尽くすより他に結構な理は無いとさしづして居るのやから、神の教えを固く守って道の為世界の為に尽くそうとする内々の事情と、神と一体と成り、何もかも捨てて道の為世界の為に尽くす親族の事情を以て尋ね出よ、と諭したるのやで。)
今まではどんな道も通して来た。
(今までは善悪含めた多くの道の台を拵える為の仮の道であったから、例えそれだけの理を聞き分ける事が出来なくても、どんな道も自由に通して来たのやで。)
一つにはどんな日もありた。
(一つには道の根本と道理を世界に知らせる為の仮普請の理であったから、これからは何事も神の思惑どおりに運ぼうとしなければ、誰も皆人として生き永らえる事も出来なくなってしまうという事や、何事も神の思惑どおりに運ぼうとする誠の理によって、思ってもみない結構な先々の理が治まると知らす為の、どんな日もありたのやで。)
又一つには三十年以来掛かり掛けた勤場所。
(又一つには、何も分からない中から、何もかも捨てて神の思惑どおりの道を運ぶなら思ってもみない結構な先々の理が治まると知らす為に、誰も寄り付く者も無い中の、三十年以来から掛かり掛けた勤め場所であるのや。)
なか/\の事情であった。
(その中を堪えて貫いた事情は、なか/\の事情であった。)
親族事情には分かりゃせん。
(又人々の先に立って道の為世界の為に尽くさなければならないと定められた親族事情に置いては、どれ程の艱難苦労の中を働かなければならないか分かりゃせんで。)
世上には皆親子兄弟と言うて、親族と言うても、兄弟何にも隔てる理は無い。
(世上にては、血の繋がった者を皆親子兄弟と言うて居るが、親族と言うても、元は他人の者も居るのやから、兄弟と言えど他人と言えど何にも隔てる理は無いのやで。)
どれだけ内々事情、親族事情と言うても、聞いて居るやろう、見て居るやろう、言うて居るやろう。
(どれだけ内々事情が大切、親族事情が大切だと言うても、それだけの理を速やかに聞き分けて実践しなければ何も成らんと、聞いて居るやろう、見て居るやろう、言うて居るやろう。)
三点三つ立て合い事情、しっかり親族事情治めてくれるよう。
(皆々で神の思惑を十分に聞き分けて、速やかに運んでみて、人々にその理を伝えるという、この三点三つ立て合いの事情を固く定めて、しっかりと内々の事情、親族事情を治めてくれるよう。)
明治二十四年一月二十八日 夜八時半
刻限(前おさしづに基づき中山会長へ御願い致しました処、会長は前川方は中山のある限りは粗末にはせんと仰せ下されました、前川方へ行き御話伝えました。)
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さあよく/\聞き分けるなら、一つの話をしよう。分かりてあるやろう。分かりてあるだけでは運ばん。前々以て一つ尋ね出る処、中山家のある間、一つも粗末にはせんというは、どういう処より出るか。この理を聞こう。神の方より聞こう。
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さあよく/\聞き分けるなら、一つの話をしよう。
(さあよく/\聞き分けるなら、末永く人として生かされる為にはどうでも聞き分けて運ばなければならない一つの話をしよう。)
分かりてあるやろう。
(この道が如何に重大な道であるか皆分かりてあるやろう。)
分かりてあるだけでは運ばん。
(分かりてあるというだけでは、道は皆運ばん事に成るのやで。)
前々以て一つ尋ね出る処、中山家のある間、一つも粗末にはせんというは、どういう処より出るか。
(前々以て一つ尋ね出る処にて、中山家のある間、前川方は一つも粗末にはせんというは、どういう処より出るか聞かせて貰おう。)
この理を聞こう。
(この理を詳しく聞こうと言うのや。)
神の方より聞こう。
(どうしてそのような話が出てくるか、神の方より聞こうと言うのや。)
押して願
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さあ/\洗い替えて速やか。日々の処からどういう理が出るとも分からん。さあさあ直ぐと/\話して、親族の理を以て放って置けんというは、どれから出たか。このやしきでは親族の理では、世上救ける事が出来ん。苦労艱難の道を通り来て理を聞くなら、一つの道も通そう。限り無き処まで尽そうというは、どういう理であるか。中山家の続くまで救けるというは、親族の理であろう。三十年以前の理を聞き分けるなら、何も分からんやない。残念の道も通りて来たわい。何でも彼でも足場が無くば付けられん。歪めてなりと、痛めてなりと、洗い替えて事情、これまで通りどんな事も聞き分け。一年で蒔いた種が、一年で生える。二年で蒔いた種が、二年で生えるのもある。又蒔いた種が生えんのもある。なれど一旦蒔いたる種は、どうでもこうでも生やさにゃならん。生えんという理は無い。どんな事も談示したとて、聞く者は無い。残念。相談する人も無し、掛かり掛けた道どうなろうと、残念々々の道も越して来た。涙をこぼして越した日もある。種を蒔いたから今日の日や。広い地所があっても種を蒔かねば草山や。草山は草山の値打ち。種があればこそ、修理がある。修理がしたならこそ今日の日や。これをよう聞き分けてくれ。
さあ/\尋ね掛け話。さあ/\朝はとうからどん/\風も構わず走り歩き、寒い時は寒い装束、暑い時は暑い装束、扇使いでは種になるか。これだけ話すれば皆分かる。前々にも話してある。三つの立て合いと言うたが、諭したが、向うに何と言うたぞ。
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さあ/\洗い替えて速やか。
(さあ/\何事も皆神の思惑どおりに成るよう、心行く迄尋ねて運ばなければならないとすっきり心を洗い替えるなら、どのような事も皆速やかに治まるのと言うのや。)
日々の処からどういう理が出るとも分からん。
(それだけの事が容易に治まらないから、その残念な理を晴らしてやる為に、日々の処からどういう困難な理が出て来るとも分からんのや。)
さあさあ直ぐと/\話して、親族の理を以て放って置けんというは、どれから出たか。
(さあさあ直ぐと/\話してくれたのは良いが、中山家という親族の理を以て放って置けんというは、どれから出たかと言うて居るのや。)
このやしきでは親族の理では、世上救ける事が出来ん。
(このやしきでは、濁り切った人間心を捨てて道の為世界の為に尽くそうとする誠一つを受け取って神が働くのみであって、ただ親族の理というだけでは一つの飾りだけにしか成らず、そんなものでは、世上であろうと誰であろうと救ける事が出来んと言うのや。)
苦労艱難の道を通り来て理を聞くなら、一つの道も通そう。
(道の為世界の為に尽くそうとする誠一つを定めて、身と心を天に供え、その実践の為の苦労艱難の道を通り来て理を聞くなら、それだけの一つの道も通そうと言うのや。)
限り無き処まで尽そうというは、どういう理であるか。
(限り無き処まで尽そうというはどういう理であるか、胸に手を当てゝよう思案してみよ。)
中山家の続くまで救けるというは、親族の理であろう。
(中山家の続くまで救けるというは、中山家であるなら何事も許されるというような、高慢な親族の理を以て言うのであろう。)
三十年以前の理を聞き分けるなら、何も分からんやない。
(誰も寄り付く者も無い三十年以前から尽くして来た理を聞き分けるなら、何も分からんやない。)
残念の道も通りて来たわい。
(なれど中山家といえど、素直に神の話を聞き分ける事が出来ないような残念の道も、色々通りて来たわい。)
何でも彼でも足場が無くば付けられん。
(世界中にこの道を弘める為には、何でも彼でも足場〈人々の心に写し出して同じ道を通す為のひながたの理であって、何事も神様の思惑どおりに運ぶ事の出来る澄み切った心に改められるよう、胸の掃除の為の苦労艱難の道である教祖ひながたの道を、自ら求めて通り抜けた真実誠の道の台〉が無くば付けられんと言うのや。)
歪めてなりと、痛めてなりと、洗い替えて事情、これまで通りどんな事も聞き分け。
(なにより大切なひながたの道が容易に治まらないから、歪めてなりと、痛めてなりと心を洗い替えて連れて通す事情によって、これまで通りて来たのであるが、そうであればこそ、どんな事も、天然自然に成って来る神の救け道に満足たんのう治めて通り抜けなければならないという理を、しっかり聞き分けるよう。)
一年で蒔いた種が、一年で生える。
(思うようにならない神の救け道に満足たんのう治めて運ぶ理によって、一年で蒔いた種が、一年で生えるものもあるで。)
二年で蒔いた種が、二年で生えるのもある。
(二年で蒔いた種が、二年で生えるものもあるのや。)
又蒔いた種が生えんのもある。
(又目先の欲に囚われて自分の為に撒いた腐り種は、その腐り心を洗う為に用いてやらなければならないから、蒔いた種が生えんのもあるのやで。)
なれど一旦蒔いたる種は、どうでもこうでも生やさにゃならん。
(なれど、道の為世界の為に尽くそうとして一旦蒔いたる種は、どうでもこうでも生やさにゃならんのやで。)
生えんという理は無い。
(真実の心を出して蒔いた種が、生えんという理は何処にも無いのや。)
どんな事も談示したとて、聞く者は無い。
(それだけの事や、どんな事も知らそうと思って談示したとて、真剣に聞く者は無い。)
残念。
(それが残念と言うのや。)
相談する人も無し、掛かり掛けた道どうなろうと、残念々々の道も越して来た。
(どうしたら聞き分けてくれるであろうかと思っても相談する人も無し、掛かり掛けた道がどうなろうとこうなろうと、黙って見て居るより他は無く、残念々々の道も越して来たのや。)
涙をこぼして越した日もある。
(どうして分かってくれないのかと、涙をこぼして越した日もあるのやで。)
種を蒔いたから今日の日や。
(どのような事も、皆々の心どおりの種を蒔いて来たから、今日の日が有ると言うのや。)
広い地所があっても種を蒔かねば草山や。
(どれ程の広い地所があっても、神の思惑に従って尽くそうとする誠の種を蒔かねば、何の役にも立たない草山に成るだけやで。)
草山は草山の値打ち。
(草山は草山の値打ちだけしかないのや。)
種があればこそ、修理がある。
(何事も神の教えに従おうとして真実に蒔いた種があればこそ、結構な芽が出るのであって、芽が出れば、それを大きく育てる為の修理肥やしの理があるのやで。)
修理がしたならこそ今日の日や。
(何処まで行っても人間の思うようにならない神の救け道に満足たんのう治めて通り抜ける理によって、真実に修理がしたならこそ、結構な今日の日が有ると言うのや。)
これをよう聞き分けてくれ。
(これだけの道である事を、よう聞き分けてくれるよう)
さあ/\尋ね掛け話。
(さあ/\何事も神の思惑に従おうと、神の思惑を尋ね掛けて運ぶ理によって、結構な先々の理が治まるという一つの話であろう。)
さあ/\朝はとうからどん/\風も構わず走り歩き、寒い時は寒い装束、暑い時は暑い装束、扇使いでは種になるか。
(さあ/\朝は早うから起きて、どん/\と風も構わず道の為に走り歩きてこそ真実誠の種に成るが、寒い時は寒い装束、暑い時は暑い装束、扇使いをして居るようでは種になると思うか。)
これだけ話すれば皆分かる。
(これだけの話をすれば、胸の掃除の為の苦労艱難の道を自ら求めて運ぶ理が、何より大切であるという事が皆分かるであろう。)
前々にも話してある。
(それともう一度、前々にも話してある処の話をするで。)
三つの立て合いと言うたが、諭したが、向うに何と言うたぞ。
(皆々で神の思惑を十分に尋ねてその理を聞き分け、速やかに運んでみて、人々にその理を伝えるという、この三つの立て合いの事情を固く定めて、しっかりと内々の事情、親族事情を運んでくれるようと言うたが、
又諭したが、それを向うに何と言うたぞ)
平野楢蔵「たんのうして居られます」と答えると
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結構が分かるなら、神一条を尋ねる。神一条の道を通れば、たゞ一人の不足はあろうまい。たった一人の曇りがある。そこで口説き掛けたのや。これまで内々事情、神に尋ねた事はあろうまい。勝手に通りて来た。たった一つの道が濁ってある。どうも速やかならん。そこで口説き掛ける。さあ/\残念とも思わず、恥かしいとも思わず、神であって何の事情も通らず、今の一時の諭しを聞いて、芯から前々の理が分かり、嬉しいと思えば、一つさんげが出来ねばならん。成る時なら誰でもする。成らん処を通り、言うに言われん、越すに越されん、心にほんに鈍な事やなあと言うて、残念な道も通りたと言う。何もどうする事も要らん。なれどたった一人の心で動く事も出来ん、何処も見られん。独り竦んで居やにゃならん。これまでにも尋ねるなら、心受け取ってさしづする。さしづは違わん。よう聞いてくれ。違うさしづして、一日の日が照るか照らんか。一つの理を聞いてくれ。前々より一つの理も尋ねやせん。今日の日は残念であろう。けなるかろう。なれど勝手に知りつゝして来たのや。今日の日は気兼ね無い。親族といえどもどうもならん。これまでそれだけの道を通りて来たなら、何処の何某と、国々まで響く。今日一つの理を見よ。どうもならん。心打ち解け洗い替え。蒔いたる種は、神が皆受け取りて居る。受け取りた種は皆生える。
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結構が分かるなら、神一条を尋ねる。
(神の思惑どおりの道を、勇んで運ぶ理によって結構な先々の理が治まる道である事が分かるなら、誰もが皆その為の神一条の理を尋ねる事に成るであろう。)
神一条の道を通れば、たゞ一人の不足はあろうまい。
(尋ねて神一条の道を通れば、たゞ一人の不足はあろうまい。)
たった一人の曇りがある。
(なれど、何事も神の思惑どおりに成るよう運ぼうとする誠の道が広く治まらないのは、人々の先に立って運ばなければならない筈の、たった一人の曇りがあるからや。)
そこで口説き掛けたのや。
(そこで口説き掛けたと言うのや。)
これまで内々事情、神に尋ねた事はあろうまい。
(これまでは、神の手足と成って尽くさなければならない内々事情に置いても、真剣に神に尋ね出た事はあろうまい。)
勝手に通りて来た。
(例え分からなくても、人間思案で勝手に判断をして通りて来たであろう。)
たった一つの道が濁ってある。
(何事も神の思惑どおりの道に成るよう尋ねて運ぶというたった一つの治まりの理が、濁り切った人間思案によって濁ってあると言うのや。)
どうも速やかならん。
(勝手な人間心で治めようとするから、どうも速やかならんという事に成るのや。)
そこで口説き掛ける。
(そこで口説き掛けると言うのや。)
さあ/\残念とも思わず、恥かしいとも思わず、神であって何の事情も通らず、今の一時の諭しを聞いて、芯から前々の理が分かり、嬉しいと思えば、一つさんげが出来ねばならん。
(さあ/\神の思惑どおりに治まらない事情を残念とも思わず、道の者として恥かしいとも思わず、自ら求めて運ぼうとする誠が無いから、神であっても何の事情も通らず、今の一時の諭しを聞いても真理は分からない事に成ってしまうが、何事も神に尋ねて運ぶ理によって、芯から前々の理が分かり掛けるのであって、それによってやれ嬉しいと思える様になれば、一つのさんげが出来ねばならんと言うのや。)
成る時なら誰でもする。
(人間の知恵や力で成る時なら、誰でもすると言うのや。)
成らん処を通り、言うに言われん、越すに越されん、心にほんに鈍な事やなあと言うて、残念な道も通りたと言う。
(何処まで行っても人間の思うように成らん処を通り、言うに言われん難儀な道や、越すに越されん苦しみの道も勇んで通り抜けるなら、心にほんに鈍な事やなあと言うて世間が笑うであろうが、その中を堪えて満足たんのう尽くした理によって、思ってもみない結構な先々の理が治まるという事情が分からないという、残念な道も通りたと言うのや。)
何もどうする事も要らん。
(天然自然に成って来る神の道に満足たんのう治めて通り抜けさえすれば、何事も皆結構に治まるのやから、何もどうする事も要らんと言うのや。)
なれどたった一人の心で動く事も出来ん、何処も見られん。
(なれど、人々の先に立って働くべきたった一人の残念な心で、多くの者が誠の心を出して動く事も出来んから、神の思惑どおりの道は何処にも見られんと言うのや。)
独り竦んで居やにゃならん。
(たった一人の残念な心が道の邪魔をするから、神の教えどおりの道を速やかに運ぼうとする者があちらこちらに居ても、独りで竦んで居やにゃならんという事に成るであろう。)
これまでにも尋ねるなら、心受け取ってさしづする。
(これまでにも、そのような残念な高い心に屈する事無く、独りで立ち上がって神に尋ねて出るなら、その心を受け取って明らか鮮やかなさしづをする、というような事をして来たのや。)
さしづは違わん。
(そのような神のさしづは、世界救けの為に尽くそうとして立ち上がる誠の心を守り育てる為の第一の理であるから、何処まで行っても違わんで。)
よう聞いてくれ。
(低い処の者が、高い処の者に屈する事無く、神のさしづを以て立ち上がろうとするなら、明らか鮮やかな理を以て神が働くという理をよう聞いてくれ。)
違うさしづして、一日の日が照るか照らんか。
(世界救けの元となる大事な事情に神が違うさしづをして、一日の日が照るか照らんかよう思案してくれ。)
一つの理を聞いてくれ。
(又何より大切な一つの理を聞いてくれ。)
前々より一つの理も尋ねやせん。
(前々より、尋ねて出る皆々の誠を受け取って、結構な先々の理が治まるよう神が働くと言うても、皆一つの理も尋ねやせんであろう。)
今日の日は残念であろう。
(折角真実の心を出して尋ねても、尋ねて出る心が無いと言われた今日の日は、さぞかし残念であろう。)
けなるかろう。
(人々の先に立って尋ね出なければならない上の者が人に尋ねさせ、それで以て何も言われないような事がけなるかろう。)
なれど勝手に知りつゝして来たのや。
(なれど、どのような事も、そのような残念な上の者に従わなければならないと勝手に判断をしてしまい、本来なら何事も神に尋ねて運ばなければならないと知りつゝ、見て見ぬふりをして来たと言うのや。)
今日の日は気兼ね無い。
(なれど今日の日は、そのような残念な者に気兼ねをする必要は無いで。)
親族といえどもどうもならん。
(親族といえども、濁り切った人間心を捨てて末代までも身と心を天に供え、道の為世界の為に尽くそうとする誠が無ければ道の為に使えないのであって、どうもならんと言うのや。)
これまでそれだけの道を通りて来たなら、何処の何某と、国々まで響く。
(これまでも、そのような残念な上の者に屈する事無く、下の者がそれだけの道を通りて来たなら、明らか鮮やかな理を以て神が働くから、何処の何某と、国々まで響くという事に成って来るのや。)
今日一つの理を見よ。
(今日の伺いの理の、中山家の続く限りは前川方を粗末にはせんというような、舞い上がった一つの理の行く末を見よ。)
どうもならん。
(そんな愚かな事ではどうもならんと言うのや。)
心打ち解け洗い替え。
(皆々で何処にも高低の無い一列平等の心に打ち解けて、すっきりと神一条の心に洗い替えなければならんと言うのや。)
蒔いたる種は、神が皆受け取りて居る。
(神の思惑どおりの道の実現の為に尽くそうとして蒔いたる種は、神が皆大きく受け取りて居るで。)
受け取りた種は皆生える。
(神が受け取りた誠の種は、皆結構に生えるで。)
明治二十四年一月二十八日 夜九時
刻限
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さあ/\口説き掛ける/\。残念口説き/\、残念々々の中から道が付く。楽しんで聞いてくれ。口説き掛けたら、どういう事口説くやら分からん。さあ/\苦労の中でかくれたものを連れて出るで。細かに書き取れ。中にも話を聞いた者少ないから、一寸皆聞いてくれ。口説き掛けたら分かる。一寸聞いてくれ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さあ/\口説き掛ける/\。
(さあ/\後にも先にも無い一度限りの世界救けの道の理を、口説き掛ける/\と言うのや。)
残念口説き/\、残念々々の中から道が付く。
(残念の理を口説き/\、残念々々の理を口説く中から、これまでの道を皆々が反省する理によって神の思惑どおりの道が付くのやで。)
楽しんで聞いてくれ。
(このような神の話を素直に聞き分ける理によって結構な先々の理が治まるという理をよう思案して、楽しんで聞いてくれるよう。)
口説き掛けたら、どういう事口説くやら分からん。
(神が口説き掛けたら、どういう事を口説くやら分からんでな。)
さあ/\苦労の中でかくれたものを連れて出るで。
(さあ/\あと僅かな年限が来たら、道の為世界の為に尽くそうとする苦労艱難の道の中で、志しなかばにしてかくれた者を連れて出るで。)
細かに書き取れ。
(その者が諭す話を、人が人として末永く生かされる為のたった一つの話だと思って、細かに書き取れと言うのや。)
中にも話を聞いた者少ないから、一寸皆聞いてくれ。
(真実に道の理を聞き分けようとする者の中にも、このような話を聞いた者が少ないから、前以て一寸だけ皆に諭して置く処であるという理を聞いてくれ。)
口説き掛けたら分かる。
(神が連れて出た者がどのような話をするかという事は、出て来て口説き掛けたら直ぐに分かるで。)
一寸聞いてくれ。
(一寸には聞いた事の無い世界治まりの理を諭すが、真実の神の思惑を速やかに聞き分けて運ぶ事が出来るか、それによって末永く人として連れて通す事が出来るか、という心試しの時旬でもあるから、油断の無きようしっかり聞いてくれるよう。)
明治二十四年一月二十九日 午前二時
刻限御話
(増野正兵衞より今晩前のおさしづの様子を本席に御話し下さる時に)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
半七様のような足は悪ろし、顔色の悪い、医者に掛けんならんような者、あれが播州や東京やの者ならどうや。皆の者やしき内に留めて置くか。どうじゃ。神は抱える事は嫌い/\大嫌い。このやしきは無理しては通れん。通れん事は無けれども、無理しては続かん。皆日々やしき中に通りて居る者は、理があるで。どうしてある。通りて居る理が無くば、中々通ろうにも通れん。さあ抱える事はすっきり要らん。これだけ返えす/\、くどう/\言い聞かして置く。忘れんよう。又捨てゝ置けん理もある。理によって十分抱えんならん者もある。けれど残念々々で暮れた者の事を思うてみよ。神は義理は嫌い。人間の義理はすっきり要らんで。これだけ諭して置く。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
半七様のような足は悪ろし、顔色の悪い、医者に掛けんならんような者、あれが播州や東京やの者ならどうや。
(半七様のような者であって、足は悪ろし、顔色の悪い、医者に掛けんならんような者で、あれが播州〈今の兵庫県の南西部であるが、インターネット上での播州人の気質とは、ガラは悪いし、気も荒い。 そのくせ鷹揚でのん気・などとちまたで言われる〉や、東京や・・・の者〈江戸人の気質は、粋でいなせで、歯切れがいいが、物事をあまり深く考えず、喧嘩早くて見栄っ張り、意地っぱり、頑固というような一面もあったと言われる〉ならどうや。)
〈半七様・・・ 1695年に半七と三勝が今の大阪千日前で心中しているのが見つかった実話を題材とした上中下三巻の作品であって、その中の一部の歌舞伎に出てくる処の、大阪上塩町の酒屋の息子半七は、処女妻のお園がありながら、女芸人の三勝と深い中に陥り、お通という娘までもうけ家には帰らない。
しかも三勝をめぐる争いで、半七は今市善右衛門を殺害してしまい、二人の仲は密通でもある事から死罪は免れない。それがもとで、お通ちゃんの胸に遺書を残して二人は心中を決意する。
捨子にされたお通ちゃんが、二人の子であると気づいた妻のお園が、お通ちゃんを抱きしめながら、「今頃は半七様、どこでどうしてござろうぞ。・・・去年の秋の患いに、いっそ私が死んでしもうたらこうした難儀はせぬものを」と、お園は戻らない半七を恨むどころか、恋慕う思いを切々と語ります。
時を同じくして、殺された善右衛門が大盗賊であったという事が分かり、ゆえに半七の罪は放免となり、それを皆々で喜び合い、半七の父半兵衛は急いで二人の後を追うが、時すでに・・・というような、涙無くしては見られない悲劇であって、色々な筋書きが有るが、真実は神様しか分からず、実際には、足が悪くて顔色も悪く、医者に賭けんならんような者、であったと思える。〉
皆の者やしき内に留めて置くか。
(皆の者なら、そのような者をやしき内に留めて置くか。)
どうじゃ。
(さあどうじゃ。)
神は抱える事は嫌い/\大嫌い。
(神はそのような者を抱える事は嫌い/\、大嫌いや。)
このやしきは無理しては通れん。
(このやしきは、自分の都合を捨てて道の為世界の為に尽くそうとする誠の者が住居をする処であるから、一時的な自分の感情を抑えきれずに、人の道を外してしまうような者が無理しては通れんと言うのや。)
通れん事は無けれども、無理しては続かん。
(少しの間なら通れん事は無けれども、何時までも無理しては続かんのや。)
皆日々やしき中に通りて居る者は、理があるで。
(皆こうして日々やしきの中に長く通りて居る者は、道の為に尽くすだけの理があるのやで。)
どうしてある。
(どうしてそのような理が有るかと思うであろう。)
通りて居る理が無くば、中々通ろうにも通れん。
(広くて大きな世界救けの道を拵える為の、善悪含めた色々なひながたを拵える為に引き寄せられて居るのだが、人々の善きひながたと成って通りて居る順序の理が無くば、神が守り通してやる事が出来ないから、長い事は中々通ろうにも通れんと言うのや。)
さあ抱える事はすっきり要らん。
(さあ一時の自分の感情に溺れて人を不幸にしてしまうような者を、神の道具として抱える事はすっきり要らんで。)
これだけ返えす/\、くどう/\言い聞かして置く。
(道の為世界の為に尽くそうとする誠一つを生涯守り通すだけの力が無ければ、この屋敷では長く通れないと、これだけの事を返えす/\、くどう/\言い聞かして置くで。)
忘れんよう。
(本来なら通るに通れん悪因縁の持ち主である皆々が、道の為世界救けの為に尽くそうとする誠一つによって、末永く結構に連れて通して貰えるという理を忘れんよう。)
又捨てゝ置けん理もある。
(又一時の自分の感情に溺れて人を不幸にするような者であっても、捨てゝ置けん理もあるのや。)
理によって十分抱えんならん者もある。
(そのような残念の理の、果たしの為の長い苦労艱難の道に堪えてすっきりと心を改め、何もかも捨てて道の為世界の為に尽くそうとする理によっては、十分に抱えんならん者もあるのやで。)
けれど残念々々で暮れた者の事を思うてみよ。
(そのような者が、広くて大きな世界救けの道の実現の為に尽くしたいけれど、積み重ねた悪因縁の果たしの為に、志しなかばで終える事を残念々々で暮れた者の事を思うてみよ。)
神は義理は嫌い。
(尽くしたくても尽くせない者が居るのに、尽くす気も無いのに義理で尽くすような者が居るが、神はそんな義理は大嫌いと言うのや。)
人間の義理はすっきり要らんで。
(心が籠っていない人間の義理は、神が受け取って働く事が出来ないから、すっきり要らんと言うのやで。)
これだけ諭して置く。
(道の為世界の為に尽くしたい一心で、あらゆる果たしの道にも堪え、どうでもこうでもこれだけの事をさせて頂こうと定めた誠の理によって、世界が治まると諭して置くで。)
〈・・・このおさしづによって神様は、一時的な自分の感情に溺れて人を苦しめてしまうような非人道的な心を嫌われ、又気短な感情を抑えきれずに、争いを起こすような短絡的な心を戒められる事が分かりますが、半七様というような言葉を、おさしづの冒頭に用いて下さる理によって、裏切られても尚半七を思うお園のような、一途な心を何より大事にして下さる事が分かります。
それによって悟るべき第一の理は、裏切られても裏切られても、馬鹿にされても屈する事無く、一途な心を以て道の為世界の為に尽くそうとする誠を受け取って神がお働き下さり、それによって世界が治まると諭して下さるという理に相違ありません。
そしてもう一つ悟らせて頂くべき重大な理は、私達の実の親である親神様は、何処までも私達人間を救けたいばかりという一途な愛情の固まりであらせられる事を知り、親神様と同様な一途な愛の救け心を持つ事が私達のエネルギィーの元に成る事を知って、親神様に恋焦がれると共に、その理を世界中に写さなければならないという理であります。
これから創まる世界中の大掃除によって、この開けた分明社会が人の住まないコンクリートジャングルに成ってしまえばどうにもなりません。
出来るだけ多くの人に残って頂いて、末永く救け合って暮らせるよう、一人でも多くの人に親神様への愛に目覚めて頂かなければならず、その為には、先ず私達が世界中の人々の先に立って、さしづどおりの道を運ばなりません。〉
明治二十四年一月二十九日 夜十一時二十分
刻限
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さあ/\/\、だん/\事情を話すれば、一つの事情一つの理は鮮やか。何か万事よう聞き分け。一つの心が無くばたった一度の話、二度とも尋ね返やす。分からんなりにも一夜の間と、前々にも諭したる。さんげ/\の廉が分からず、言うても分からず。あれでいかんこれでいかんと言う。皆それ/\思えども人間の事情として、人間という取次という。これまでにも見分けてくれ、聞き分けてくれと、だん/\諭し、取次には席の位まで付けてある。見難くい見苦しい処は、皆掃除をしてくれねばならん。鏡やしき濁ってあってどうもならん。鏡やしきは四方正面ともいう。少しぐらいこんな事ぐらいという理はむさくろしい。妬み合いという理が見て居られん。これで掃除は仕舞。これだけ見分けんならん。見分けるには遠慮は要らん。遠慮するのは分からんからや。陰で言う事は十代罪と言う。陰で言うならその者直ぐに言うてやれ。身のためや。来る者に去ねとは言わん、来ん者に来いとは言うやない。心で尽す者と、現場で尽す者とよう見分け。陰隔ての理の無きよう。高い者は高うに見る、低い者は低うに見る。これからは何も遠慮は要らん。代わりにあの人さえあれだけならと、めん/\もさんげという。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さあ/\/\、だん/\事情を話すれば、一つの事情一つの理は鮮やか。
(さあ/\/\、だん/\と神の教えどおりの世界治まりの事情を話すれば、速やかにその理を人々の心に治めてやろうとする一つの事情と、速やかにそれを聞き分けて治まった皆々の誠を受け取って、結構な先々の道を通させてやる一つの理は鮮やかと治まるのやで。)
何か万事よう聞き分け。
(何かの処も同じであって、万事に置いて、濁り切った人間心を捨てて速やかに神の思惑どおりの道を運ぼうとする誠の理により、結構な先々の理が治まるという理をよう聞き分けるよう。)
一つの心が無くばたった一度の話、二度とも尋ね返やす。
(濁り切った人間心を捨てて、速やかに神の思惑どおりの道を運ばせて貰おうとする一つの心が無くば、後にも先にも無いたった一度の救け話は治まらず、治まった理を受け取って神が働いてやる事も出来ないから、二度とも治まらない事に成り、何処が間違っているのでしょうかと尋ね返やす事に成るのやで。)
分からんなりにも一夜の間と、前々にも諭したる。
(分からんなりにも、速やかに神の教えどおりの道を運ばせて貰おうと定めるなら、難しい事情も一夜の間に治まるという理を、前々にも諭したるであろう。)
さんげ/\の廉が分からず、言うても分からず。
(さんげ/\の廉〈さんげ/\のかど、道理・・・何処まで行っても人間の思うようにならない苦しみの道がたった一つの神様の救け道であって、その中を満足たんのうして通り抜けるなら、山のように積み重ねた残念の理が段々晴れると同時に、喜んで神様の救け道を通り抜けた理が世界に同じ道を通す為の真実誠の道の台となり、そうして世界救けの為に尽くした理によって、結構な先々の理が治まるという誠天の理〉が分からず、分かり易いような例え話を以て言うても、一時の苦しみの理に変えて救けるという天の道理は分からず、そんな事ではどうもならんと言うのや。)
あれでいかんこれでいかんと言う。
(何処まで行っても人間の思うようにならない神の道がたった一つの救け道であって、それより他に道は無いという事が分からないから、あれでいかんこれでいかんと、勝手な人間の理を持ち出して言う事に成るのや。)
皆それ/\思えども人間の事情として、人間という取次という。
(皆それ/\が神の教えどおりの道を運ばなければならないと思えども、自分の力では真実の理を決めつけられない人間の事情としては、指導的立場の人間という、取次という者に従わなければならないと皆思うであろう。)
これまでにも見分けてくれ、聞き分けてくれと、だん/\諭し、取次には席の位まで付けてある。
(なれどこれまでにも、自分達の日々の道が神の思惑どおりの道であるかどうか見分けてくれ、聞き分けてくれと言うてだん/\諭して来たのであって、それを伝える為の取次には、神の代理と成って伝える為の席の位まで付けてあるであろう。)
見難くい見苦しい処は、皆掃除をしてくれねばならん。
(そうであっても、取次が神のさしづどおりの理を諭さなければ間違いは起きるのやから、真実誠の神の思惑から外れるような見難くい見苦しい処は、遠慮無く皆で話し合って掃除をしてくれねばならんのやで。)
鏡やしき濁ってあってどうもならん。
(澄み切った神一条の道を世界中に通させる為の鏡やしきが濁ってあっては、世界中がどうもならん事に成ると言うのや。)
鏡やしきは四方正面ともいう。
(鏡やしきというは、一点の曇り無き神一条の道を世界中に弘める為に、四方正面から理を写し出すともいうであろう。)
少しぐらいこんな事ぐらいという理はむさくろしい。
(少しぐらいこんな事ぐらいという理は、荒れ果てた人間世界を拵える為の第一歩の理と成るから、むさくろしい理〈汚くて無秩序な理〉であると言うのや。)
妬み合いという理が見て居られん。
(又一つ、他人に引け目を感じたり、恨み憎んでしっとをするというような、妬み合いという理が見て居られんと言うのや。)
これで掃除は仕舞。
(そのような残念な理を改める事が出来なければ、これで胸の掃除は仕舞という事に成るのやで。)
これだけ見分けんならん。
(これだけの見苦しい理は、神がどうしてやる事も出来ないから、自分達の力で見分けんならんのや。)
見分けるには遠慮は要らん。
(互いに見分けて道を改める為には、誰も皆遠慮は要らんで。)
遠慮するのは分からんからや。
(遠慮するのは、どんな者も速やかに救けてやりたいばかりという神の心が分からんからや。)
陰で言う事は十代罪と言う。
(陰で言う事は、世界中を速やかに救けてやりたいばかりの神の思惑の邪魔に成るから、何より重大な罪だと言うのや。)
陰で言うならその者直ぐに言うてやれ。
(陰で言うなら、他人のほこりを貰ってしまうだけやから、勇気を出して、神様の思惑とは違って居るのではないかと、その者に直ぐに言うてやれと言うのや。)
身のためや。
(気づかぬ内に積み重ねた残念の理を苦しんで果たす事にならないよう、身の為だと言うのやで。)
来る者に去ねとは言わん、来ん者に来いとは言うやない。
(又一つ、素直に神に付いて来る者に去ねとは言わんが、付いて来んような者に、無理に来いとは言うやないで。)
心で尽す者と、現場で尽す者とよう見分け。
(いずれは神様の思惑どおりの道を運ばなければならないという心で尽す者と、速やかに神の思惑どおりの道を運ぼうとして、勇んで現場で尽す者との違いをよう見分けるよう。)
陰隔ての理の無きよう。
(どちらも世界に道を知らす為の大事なひながたと成るのやから、陰隔ての理の無きようしてくれねばならんで。)
高い者は高うに見る、低い者は低うに見る。
(どのような事も、高い者は高うに見るであろうが、低い者は低うに見るであろう。)
これからは何も遠慮は要らん。
(なれどこれから先は、世界中が一列平等の、神の一列支配の世界に改めるのやから何も皆遠慮は要らんで 。)
代わりにあの人さえあれだけならと、めん/\もさんげという。
(遠慮をする代わりに、あの人でさえあれだけの道なら、自分が少しでも先に立って神様の思惑どおりの道を運ばせて貰わなければならないと定めるなら、その理を受け取って神が十分な働きをして見せる事が出来るのやから、めん/\もさんげという事に成るのやで。)
2月のおさしづ
明治二十四年二月七日(陰暦十二月二十八日)夜二時
刻限
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さあ/\/\刻限を以て話し掛ける。さあ/\どういう事話し掛けるなら、さあさあ一日の日も、よう/\の日、さあ/\明けるなら一つという。さあ話し掛けたら、どういう事も万事話通り、いかなるも皆今一時筆に書き取る処、一日の日が移る。五箇年々々々と五箇年の日に移る。四方々々所々もいずれ/\五年々々、どういう事、万事何かの事話し掛けるによって、事情は一つ、人間の心の理というは更々持たぬよう。さあ/\五箇年々々々、五年経ったらどういう道とも分かろまい。世界の道も分かろまい。一年経てば一つの事情、又一年経てば一つの事情、年に取りて六十一年、お陰/\と待ち兼ねたる処、又一つには改正々々という、明治の代という、国会という。知らず/\待って、さあ楽しみの道は更にあろまい。一夜の間の事情を見よ。国会二十三年と言うた一つの事情、又お陰/\の事情、よう思やんせよ。さあ/\明ければ五年という。万事一つの事情を定め掛け。定めるには人間の心は更々要らん。弱い心は更に持たず、気兼ね遠慮は必ず要らん。さあ思やんしてくれ。これから先は神一条の道。国会では治まらん。神一条の道で治める。怖わい道があって、やれ楽しみという。五年々々の事情もう経ち切ったる。一つの日柄、世上には余程の理も運び、よう/\の理が一寸治め掛け。治め掛けは、何か難し道である。どういう事も難しい。年が明けたら五年、一日の日から始める。国々国々の処、万事取り締まり、さあ/\何か談示々々、談示の決は、これまでよりも神のさしづ。さしづ通りの道なら、どんな事も遠慮気兼ねするやない。さあ楽しんだ。五箇年楽しんだ。一日の日、万事談じ、又思わく一つの事情は、又々尋ねてくれるよう。
さあ/\/\刻限を以て話し掛ける。
(さあ/\/\明らか鮮やかな刻限の理を以て話し掛けるで。)
さあ/\どういう事話し掛けるなら、さあさあ一日の日も、よう/\の日、さあ/\明けるなら一つという。
(さあ/\どういう事を話し掛けるというなら、さあさあ、これからは何事も神の思惑どおりに治めさせて頂こうと定まった一日の日も、それぞれが尽くし果たした年限の理と共に治まるというよう/\の日であるが、さあ/\それだけの理が明けるなら、末代までも結構に連れて通す為の一つ道が始まると言うのやで。)
さあ話し掛けたら、どういう事も万事話通り、いかなるも皆今一時筆に書き取る処、一日の日が移る。
(さあ時旬と共に、神が出て世界治まりの道理を話し掛けたら、どういう事も万事神の話通りに治めなければ通れないようになるが、いかなる事も皆今一時の筆に書き取りたる処の如く治めようとする皆々の理によって、結構な先々の理が治まる為の一日の日の心がそれぞれの胸に写るのやで。)
五箇年々々々と五箇年の日に移る。
(真実誠の神一条の道は末永くこの世を治める為の天然自然順序の道であって、それぞれの誠を受け取って神が十分に働くだけの理を拵える為に、五箇年々々々と仕切って尽くす二十年余の年限の道であるが、一日の日の心が皆々の胸に治まった理によって、速やかにそれだけの道を通させようとする五箇年の日に移るのやで。)
・・・〈道の初めに教祖がお通り下された二十年余の苦労艱難の道が正にそれであって、広くて大きな世界救けの道を拵えて頂く為に、有る物を全て尽くし果たされ、乞食ばばあと笑われながら、誰も寄り付く者も無い真実誠の種蒔きの道の中を、堪えて満足たんのう貫いて下さった二十年の理を神様が受け取ってお働き下り、これだけの道が出来上がったという一つの理であるが、後に続くべき私達子供が末永く結構に連れて通して頂く為には、世界救けの為に尽くした誠の道がなければならないのは当然であり、教祖の二十年の御苦労の道が後に続くべき一つの道であって、ひながた通らにゃひながた要らんと教え導いて下さる。
・・・何処まで行っても人間の思うようにならない神様の救け道の中を満足たんのう治めて運ぶ五年の理によって、長い年限の間に積み重ねた残念の理が払われ、又、尽くしても尽くしても明かりの見えない苦しみの道の中を満足たんのう治めて運ぶ五年の理が、真実誠の種となり、又、そのような救け一条の道の中を何時何時変わらぬ一つの心で満足たんのう治めて運ぶ五年の理が、撒いた種を大きく育てる為の修理肥やしの理となり、又、そのような真実誠の神一条の道の中を、何時何時変わらぬ一つの心で満足たんのう貫く五年の理を受け取って下さる事によって、世界救けの為に尽くす二十年の年限の理が治まり、それを速やかに受け取って世界中を連れて通す為の広くて大きな道を拵えて下さる事に成るが、それだけの理を一つ一つ積み上げる順序の理が五箇年々々々の日であって、それを素直に聞き分けて尽くした理によって、落ちようと思っても落ちられない結構な末代の理が治まるというただ一つの道であり、楽な道の中に理は無く、難儀苦労一つが財産であるという事を肝に銘じなければならない。〉・・・
四方々々所々もいずれ/\五年々々、どういう事、万事何かの事話し掛けるによって、事情は一つ、人間の心の理というは更々持たぬよう。
(四方々々の所々の者も、いずれ/\は五年々々という真実誠の種蒔きの道を運ぶ事に成るが、どういう事も結構な末代の理を治めさせようとする為であって、その為の万事の事情も何かの事も話し掛けるによって、それを速やかに聞き分けて貰いたいと言うのだが、それだけの理が速やかに治まる事情はただ一つであって、どんな苦しい事や悲しい事情に出くわしても、どうしてこんな事に成るのだろうというような、残念な人間の心の理というは更々持たぬようせねばならんで。)
さあ/\五箇年々々々、五年経ったらどういう道とも分かろまい。
(さあ/\五箇年々々々と仕切って治めさそうとする順序の道であるが、五年という一つの年限の理が経ったら、どういう結構な道が治まるとも分かろうまい。)
世界の道も分かろまい。
(神の話を速やかに聞き分ける事が出来なければ、たった一つの救けの理である処の、世界の為に尽くす誠の道も分かろまいと言うのや。)
一年経てば一つの事情、又一年経てば一つの事情、年に取りて六十一年、お陰/\と待ち兼ねたる処、又一つには改正々々という、明治の代という、国会という。
(一年経てば一つの事情が治まり、又一年経てば一つの事情が治まるが、江戸時代の鎖国という閉鎖的な制度を巡る世界各国の動きが色々と出始めてから、年に取りて六十一年余が経ち、文明開化のお陰/\と皆々が待ち兼ねたる処は、又一つには世の中の改正々々という処であって、明治の代という処であり、人々の意見を集約して国の法律を定める為の国会という処であろう。)
知らず/\待って、さあ楽しみの道は更にあろまい。
(誰もが皆自由平等に暮らす時代が来ても、真実誠の神の道を知らず/\運び、何もせずに待って居ては、さあ治まるべき楽しみの道は更にあろまい。)
一夜の間の事情を見よ。
(人間の力でそれぞれの運命を変えるような事は出来ないが、何が何でも神の思惑どおりに運ばせて貰おうという神一条の精神によって、難しい処も一夜の間にも治まるという鮮やかな事情を見よと言うのや。)
国会二十三年と言うた一つの事情、又お陰/\の事情、よう思やんせよ。
(国会というだけでは結構な先々の理は治まらないが、道の為世界の為に尽くさせて頂こうとして、何処まで行っても人間の思うようにならない真実誠の神の救け道の中を満足たんのう貫く処の、二十三年と言うた一つの事情が、世の中を結構に改める為の、又一つのお陰/\の事情であるという処を、よう思やんせよと言うのや。)
さあ/\明ければ五年という。
(さあ/\何かの事も神の思惑どおりの道を満足たんのう治めて運ぶ年限の理が明ければ、神が受け取って働く為の五年という理が治まるのやで。)
万事一つの事情を定め掛け。
(それだけの理を速やかに聞き分けて、何事も神の思惑どおりに治めようとする一つの事情を定め掛けるが善いと言うのや。)
定めるには人間の心は更々要らん。
(そのような一途な神一条の心を定める為には、苦しまなければならないのは間違った道が有るからやというような、無知な人間の心は更々要らんで。)
弱い心は更に持たず、気兼ね遠慮は必ず要らん。
(長い年限の間に積み重ねた山のような悪因縁を払う為の、苦しみの道を恐れるような弱い心は更に持たず、気兼ね遠慮をして神の思惑どおりの道を運ぶ事が出来ないような、残念な心は必ず要らんでな。)
さあ思やんしてくれ。
(さあそれだけの理を速やかに聞き分けて、今、何をどうするべきかよう思やんしてくれと言うのや。)
これから先は神一条の道。
(これから先は何事も神が支配するから、神一条の道より他は治まらんでな。)
国会では治まらん。
(地域の代表の意見を寄せ合って法律を定める処の国会というだけでは、これから先は治まらんで。)
神一条の道で治める。
(あらゆる事を神が支配しなければ世界は治まらないから、これから先は神一条の道で治めると言うのや。)
怖わい道があって、やれ楽しみという。
(その為には、どうしても神の思惑に沿う事の出来ない悪心をすっきりと片づけてしまう為の怖わい恐ろしい道があって、素直に神の話を聞き分ける澄み切った心だけが残る事に成るから、やれ楽しみという道が治まるのやで。)
五年々々の事情もう経ち切ったる。
(世界中に楽しみの道が治まったら、それだけの道を拵える為の種蒔きの理である処の、真実誠の五年々々の事情はもう経ち切ったるという事に成るのやで。)
一つの日柄、世上には余程の理も運び、よう/\の理が一寸治め掛け。
(そのようにして世界治まりの為の善き一つの日柄を迎える為には、世上に置いては真実誠の種蒔きの理と成る余程の苦労艱難の理も勇んで運び、よう/\治まった二十年余の理が、明らか鮮やかな世界救けの道の一寸治め掛けの理と成るのやで。)
治め掛けは、何か難し道である。
(なれど、世界救けの道の治め掛けというは、何かの事も難しい道であるのや。)
どういう事も難しい。
(何が難しいかと言えば、結構な先々の道を治める為には、人間の思惑とは真逆の守護をしなければならないから、どういう事も難しい事に成ると言うのやで。)
年が明けたら五年、一日の日から始める。
(その中を満足たんのう治めて運ぶ年限の理が明けたら、その誠を受け取って神が働く為の五年という年限の理が治まるが、それだけの道を始め掛けて貰う為には、これから先はどのような事も神様の教えどおりに運ばせて頂こうと定まった処の、真実誠の一日の日から始め掛けるのやで。)
国々国々の処、万事取り締まり、さあ/\何か談示々々、談示の決は、これまでよりも神のさしづ。
(世界中の国々国々の処の、万事の間違いを改めて取り締まりをする為には、さあ/\何かの事も元のぢばから改めなければならないのであって、その為にも皆々で談示々々をしなければならないが、談示の決は、これまでよりも神のさしづどおりに治めなければならないのやで。)
さしづ通りの道なら、どんな事も遠慮気兼ねするやない。
(さしづ通りの道を運ぼうとするなら、どんな事も遠慮気兼ねをするやないで。)
さあ楽しんだ。
(さあ、そうようにして神の教えどおりの道を運ぶなら、思ってもみないような結構な先々の理の治まる処の、真実誠の神の道を楽しんだという事に成るのやで。)
五箇年楽しんだ。
(思ってもみないような結構な先々の道の治まる理は、真実誠の種蒔きの道である処の、五箇年の年限の道を楽しんで運んだという理が元に成るのやで。)
一日の日、万事談じ、又思わく一つの事情は、又々尋ねてくれるよう。
(それだけの結構な理が治まる為の一日の日は、万事何事も神の思惑どおりに運ばせて貰おうとする一つの理によって治まると談じなければならないが、又その場その場に置いて神の思わくどおりに運ぶ為の一つの事情は、又々尋ね掛けて運んでくれるようと諭すのやで。)
明治二十四年二月八日(陰暦十二月晦日)夜
刻限
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さあ/\仕切って話する。この事しんばしらに伝え。さあ/\どういう事伝え。親族切って切られん中、捨るに捨られん中、一戸々々の事情、世上々々の事情、親族は親族の理がある。切って切られん理がある。親族は親族だけ。心置き無う治めてくれるよう。鏡やしき/\、うっとしいては照らす事出来ん。言い難くかったであろう。これだけ尽し、しんばしら切ない事情であろう。それだけの事、運んでやってくれるがよい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さあ/\仕切って話する。
(さあ/\これだけの事はどうでも聞き分けて運ばなければならないと、固く仕切って話するで。)
この事しんばしらに伝え。
((この事を速やかにしんばしらに伝えるよう。)
さあ/\どういう事伝え。
(さあ/\どういう事を伝えなければならないかと思うであろう。)
親族切って切られん中、捨るに捨られん中、一戸々々の事情、世上々々の事情、親族は親族の理がある。
(速やかに伝えなければならない理は親族の理であるが、親族というは、互いの存在の為には切っても切られん深い中の理であって、誰もが皆このままでは通るに通れないという処の、長い年限の間に積み重ねた山のような悪因縁があるが、それを少しでも果たして結構に生かされる為には、互いに捨てるに捨てられんという補完的な関係の中の理であり、そのような理によって繋がった一戸々々の事情というは、前世、前々世の因縁を寄せて守護するという世上々々の事情によって結ばれて居るが、そのような中でも、神の手足となって道の為世界救けの為に尽くさなければならないと定められた親族は、どうでもこうでも人々の先に立って、広くて大きな世界救けの道を拵える為に尽くさなければならないと、固く定められた親族の理があるという事や。)
切って切られん理がある。
(神の手足となって尽くさなければならないと定められた親族というは、人間創造の際に、時旬が来たら、神の手足となって連れて通そうと定められた処の、切っても切られん理があるという事や。)
親族は親族だけ。
(そのような理に結ばれた親族は、定められた親族の理だけは、何が何でも治めてくれるようと言うのやで。)
心置き無う治めてくれるよう。
(その心に乗って速やかに神が働く為にも、心置き無う治めてくれるようと言うのや。)
鏡やしき/\、うっとしいては照らす事出来ん。
(速やかに神が働く為であればこそ、どのような事も神のさしづどおりに運ぼうとする澄み切った心を世界中に写し出す為の鏡やしき/\にて、人間の理ばかり持ち出して運ぶというような、うっとうしい事では世界に照らす事が出来んと言うのや。)
言い難くかったであろう。
(今迄は、それだけの事が言い難くかったであろう。)
これだけ尽し、しんばしら切ない事情であろう。
(これだけの事を速やかに伝えようと心尽しても、皆々の心には何より先に人間の事情が先に立ってしまうから、その心が邪魔に成ると伝えなければならないしんばしらとしては、切ない事情であったであろう。)
それだけの事、運んでやってくれるがよい。
(容易に伝える事が出来ないなれど、先ず自分一人が、それだけの事〈どうでもこうでも人々の先に立って、広くて大きな世界救けの道を拵える為に尽くさなければならないと、固く定められた親族の理〉を、何時何時変わらぬ一つの心で運んでやってくれるが善いと言うのや。)
同時引き続き御話
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さあ/\又一つ、よう聞き分け。来る者に来るなとは言わん。来ぬ者に来いとは言わん、というは、話の台。見苦しい処、それから人々、二年三年の理が無くばなろうまい。理と理と、どういうものは、どんな大きい理に成るやら知れん。世上谷底から運ぶ。席々と運んで二年三年の理、これから運んでくれねばなろうまい。悟りではないで。すっきりしたさしづ。これで掃除はすっきりやで。
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さあ/\又一つ、よう聞き分け。
(さあ/\誰もが聞き分けて治めなければならない又一つの理を諭すから、よう聞き分けるよう。)
来る者に来るなとは言わん。
(この道は心次第の道であるから、素直に神の思惑に沿えないような者であっても、来る者に来るなとは言わんよう。)
来ぬ者に来いとは言わん、というは、話の台。
(又、どれだけ神の思惑どおりの道を運ぶ者であっても、来ぬ者に来いとは言わん、というは、話の台であろう。)
見苦しい処、それから人々、二年三年の理が無くばなろうまい。
(この道の中の、素直に神の思惑に沿えないというような見苦しい処を改める為には、先ず一人先に立って、長い年限積み重ねた山のような悪因縁の果たしの道を通り抜け、それから心を改めたという誠の理を人々の心に写さなければならないのやから、その為の神の救け道を自ら求めて運び、何時何時変わらぬ一つの心で満足たんのう貫いたという、真実誠の二年三年の理が無くばなろうまいと言うのやで。)
理と理と、どういうものは、どんな大きい理に成るやら知れん。
(速やかに世界一列を救けたいと願う神の理と、速やかに世界一列を救けて頂きたいと願う人間の理と、二つ合わせて速やかに実現させて頂く為には、どのような苦難な道であろうと、どういうものもいとわず運ばせて頂こうとする誠の心は、先々どんな大きい理に成るやら知れんと言うのや。)
世上谷底から運ぶ。
(濁り切った世上の理を改める為の救けの台というは、どのような事も神の思惑どおりに運ばせて頂こうという澄み切った心を定めて、一人先に立って谷底から運ぶ誠の道が元になるのやで。)
席々と運んで二年三年の理、これから運んでくれねばなろうまい。
(どのような事も席々と運んで〈どのような事も神様の思惑どおりの道に成るよう運んで〉心を改めた二年三年の理が、世界中に写し出して世界中に同じ道を通す為のたった一つのひながたと成るのやから、これから運んでくれねばなろうまいと言うのやで。)
悟りではないで。
(無条件の心を以て神の思惑を求める事が出来ないような悟りは、自由自在に神が働く事の出来る真実誠の悟りではないで。)
すっきりしたさしづ。
(難しい事をせいと言うのでは無く、ただ神のさしづどおりに運べば善いというだけの、すっきりとしたさしづであろう。)
これで掃除はすっきりやで。
(これだけの事で、世界中の胸の掃除の道はすっきりと治まるのやで。)
5月のおさしづ
明治二十四年五月九日 夜十一時半頃
刻限御話
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さあ/\/\一寸刻限に知らすで/\。どういう事知らすなら、年分の年を知らす知らす。これから珍しい事を言い掛ける。さあ/\これまで/\年という、長い年限の内どういう事も見る、いかなる道も通り来た。早く書き取れ/\。さあ/\道という、道が世界という。これから/\どういう事も一日々々知らす。早く知らさにゃならん。真実話する事出来ん。尋ね/\身の処を知らす。身の内が障る。どうもならん。一日遅れ又遅れ、だん/\遅れる。身の内速やかなれば、何時でも運ぶ。障りあっては入り込んで諭す事が出来ん。席という事情聞き分け。何でも無いと思うて居る。これまで自由という理は幾重にも説いてある。なれど、聞きよう取りように、どんな理聞いても思やん/\。思やんだけではどうもならん。これまで説いて来たる道、危なき道も楽しき道も説いてある。危なき道が頼もしい。頼もしい道が危ない。難しい中に楽しみ無けりゃなろうまい。これまでの道は、さしづの理を以て連れて通りたから、通れた。なれど、めん/\の心の理で通るなら、通りてみよ。又一つ遠くより運んで事情、席々と言うて始め掛けた事情、内々一つ事情はあるまい。世上どんな事言い掛けるともおめ恐れは無い。諭したる道は通らにゃならん。連れて通るから通れる。どれだけ遠くといえど、自由という道は十分付けてある。年が寄って弱って来るという中には、大切や/\と事情は言わにゃなろうまい。大切の事情が分からん。栄耀栄華という理だけで思うように成らん。思うように諭されん。毎日日々事情が近寄る。どんな道が始まるとも何時発しるとも分からん。身上の処、又障り/\分からん/\で。身上も分からん。この話早く諭したいなれど、邪魔になるものがありてどうもならん。運ぶ力の理が無いからどうもならん。何時世上に一つの理のあるも分からんから、談示の話伝えてくれるよう。内々にもいかなるも、たんのう早く治めにゃなろうまい。辺所の処はあという思やん分かろうまい。そこで刻限事情を以て諭し置くという。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さあ/\/\一寸刻限に知らすで/\。
(さあ/\/\一寸やそっとではない重大な理を、誰もが皆、人として生き永らえる為には必ず聞き分けて運ばなければならない明らか鮮やかな刻限にて知らすで/\。)
どういう事知らすなら、年分の年を知らす知らす。
(どういう事を知らすと言うなら、速やかに世界一列を救けたいばかりという神の一念分の道〈神様が一筋に念じられ、その為に私達をお連れ通り下さる天の道〉を、一点の曇り無く皆々に運ばせてやりたい為に、速やかに皆々が治めなければならない念の理〈明瞭に記憶して、何時何時までも忘れてはならない真実誠の心の理〉を知らす知らすと言うのや。)
これから珍しい事を言い掛ける。
(これだけの事から、今迄聞いた事の無いような珍しい事を言い掛けるで。)
さあ/\これまで/\年という、長い年限の内どういう事も見る、いかなる道も通り来た。
(さあ/\これまで/\神が連れて通った一つの道は、速やかに世界一列を救けたい一念の道というのであって、その為の長い年限の内には、どういう事も見るであろう、いかなる道も通り来たであろうと言うのや。)
早く書き取れ/\。
(そうして運んだ事によって身に付けた天の道理を、生きた教本として後々の者に知らせる為に、一日も早く書き取れ/\と言うのやで。)
さあ/\道という、道が世界という。
(さあ/\今まで皆々が通りて来た道という、その道が世界中に同じ道を通す為の真実誠の道の台になるというのや。)
これから/\どういう事も一日々々知らす。
(成程と世界中が納得するような澄み切った道の台を拵える為に、これから/\はどういう事も天理に沿えるよう、一日々々知らすと言うのや。)
早く知らさにゃならん。
(怖い恐ろしい世界中の大掃除の道を創めなければならない時旬が迫り切っているから、一日も早く知らさにゃならんのや。)
真実話する事出来ん。
(なれど、どのような話も速やかに聞き分けようとする誠が定まらなければ、本真実の話をする事が出来んで。)
尋ね/\身の処を知らす。
(本真実の話が治まる為には、自ら尋ね/\て出る誠を受け取って身の内へ入り込み、分かるよう、身の処〈速やかに聞き分けて治めなければならない誠の心の治め方〉を知らすと言う事やで。)
身の内が障る。
(何時まで経っても本真実の話が治まらなければ、なにより大切な身の内が障る/\という事に成るのや。)
どうもならん。
(身の内が障るという事は、長い年限の間に積み重ねた山のような親不孝因縁が有るから、その元となる濁り切った人間思案を捨て切って、速やかに神の話を聞き分けなければ先々の道がどうもならん事に成ると知らす為やで。)
一日遅れ又遅れ、だん/\遅れる。
(神の話を素直に聞き分ける事が出来ない事情によって、道が一日遅れ、又遅れ、だん/\遅れるという事に成るのやで。)
身の内速やかなれば、何時でも運ぶ。
(速やかに聞き分けて身の内が速やかなれば、何時でも楽しんで運ぶ事が出来るであろう。)
障りあっては入り込んで諭す事が出来ん。
(神の話を素直に聞き分ける事が出来ないような障りの心があっては、神が身の内へ入り込んで分かるよう諭す事が出来んと言うのや。)
席という事情聞き分け。
(どのような事も席が第一〈神様のお話し下さる理が第一〉という澄み切った理によって、結構な先々の理が治まるという事情をよう聞き分けるよう。)
何でも無いと思うて居る。
(出来ても出来なくても速やかに聞き分けようとする誠一つによって、どのような事も治まるという理が分からない間は、そんな難しい事は、今の自分には関係の無いような何でも無い事だと思うて居るのや。)
これまで自由という理は幾重にも説いてある。
(これまで諭して来た自由自在という理は、自由用自在に神が働く為の裏の理であって、その為には、どのような事も速やかに聞き分けて実践しようとする誠一つが元であると、幾重にも説いてあるのや。)
なれど、聞きよう取りように、どんな理聞いても思やん/\。
(なれど、聞きよう取りようによって理が治まらないのであるが、その原因というは、どんな理を聞いても、そんなふうに運ぶ事は出来ないだろうと、先案じをして思やん/\する理が元に成るのやで。)
思やんだけではどうもならん。
(なれど、出来ても出来なくても、これからは神様の思惑どおりの道を運ばせて貰おうとする誠一つが定まれば、その心を受け取って、心どおりの道に成るよう連れて通す救け一条の道であるから、思やんするだけではどうもならんと言うのや。)
これまで説いて来たる道、危なき道も楽しき道も説いてある。
(これまで説いて来たる道は、濁り切った人間思案を捨て切って、速やかに神の思惑どおりの道を運ばせて貰おうと定める誠一つの有無によって、危なき道も楽しき道も有ると説いてあるのや。)
危なき道が頼もしい。
(そのような事はとても私には出来ないと思っても、勇気を出して神の思惑どおりに運ぼうとする危なき道が、心どおりの頼もしい道に成ると言うのや。)
頼もしい道が危ない。
(人間の知恵や知識を用いて、如何なる難儀も避けて運ぶ頼もしい道が、神の救けの手の届かない危ない道に成るのやで。)
難しい中に楽しみ無けりゃなろうまい。
(濁り切った人間思案を捨て切り、何事も神の思惑どおりに運ぼうとする誠を受け取って連れて通す心次第の道であるから、容易に聞き分けて運ぶ事が出来ない難しい道の中にこそ、結構な先々の楽しみの理が無けりゃなろうまいと言うのや。)
これまでの道は、さしづの理を以て連れて通りたから、通れた。
(これまでの道は、どんな事も神の思惑どおりに治めなければならないというさしづの理を以て連れて通りたから、通れたのやで。)
なれど、めん/\の心の理で通るなら、通りてみよ。
(なれど、めん/\の心の理で通れると思うなら、通りてみよと言うのや。)
又一つ遠くより運んで事情、席々と言うて始め掛けた事情、内々一つ事情はあるまい。
(又一つ、何も分からないような遠くの処より運んで、結構な先々の理が治まった事情というは、どのような事も席々〈神様の思惑どおりに治めなければならない〉と言うて始め掛けた事情ただ一つであって、内々一つ事情〈こっそりと自分の思惑どおりの道を運んだ事情〉ではあるまい。)
世上どんな事言い掛けるともおめ恐れは無い。
(何事も神の思惑どおりの道を運ぼうとするなら、世上がどんな事を言い掛けるとも、おめ恐れる事は無いのやで。)
諭したる道は通らにゃならん。
(神が諭したる道はどうでもこうでも成って来るのやから、世上であろうと誰であろうと皆通らにゃならん事に成るのや。)
連れて通るから通れる。
(素直に神に付いて来さえすれば、神が神の思惑どおりに連れて通る事が出来るから、どのような中も安心安全に通れるのやで。)
どれだけ遠くといえど、自由という道は十分付けてある。
(神の諭す理が、今一時の結構からどれだけ遠く離れた難儀な道といえど、先々に治まる自由用自在という道は十分に付けてあるのや。)
年が寄って弱って来るという中には、大切や/\と事情は言わにゃなろうまい。
(又、年が寄って弱って来るという中には、十分に神に守られて通らなければならないのやから、何事も神様の教えどおりに運ぼうとする誠の心が何より大切や/\、というような、真実の事情は言わにゃなろうまい。)
大切の事情が分からん。
(何事も神の教えどおりに運ぼうとする事情が、自分の為にも世界の為にも、何より大切の事情である事が分からんではいかんで。)
栄耀栄華という理だけで思うように成らん。
(何の苦しみも無く栄耀栄華に通れるのが正しい道だという理だけでは、先々の道は一つも思うように成らんで。)
思うように諭されん。
(一時の苦しみの道によって、長い年限の間に積み重ねた悪因縁を祓ってやり、結構な先々の理を治めさそうとする真実誠の種蒔きの道である事が分からないようでは、神が思うように諭されんと言うのや。)
毎日日々事情が近寄る。
(今の一時の苦しみの道によって先々の運命を改めるという天の道理が分からなければ、毎日毎日の処にて、このままでは通るに通れない日が来ると知らす為の日々の事情が近寄るのやで。)
どんな道が始まるとも何時発しるとも分からん。
(それも素直に聞き分ける事が出来なければ、そのような残念な心を強制的に改める為のどんな恐ろしい道が始まるとも、又どうしてやる事も出来ない濁り心は、すっきりとこの世から片付けてしまわなければならないという恐ろしい事情が何時発しるとも分からんのや。)
身上の処、又障り/\分からん/\で。
(身上の障りの処というは、速やかに神の話を聞き分けて実践する事が出来ないという残念の理の表れであるが、又その心が、世界救けの道の障り/\に成っているという事が分からん/\ではいかんで。)
身上も分からん。
(世界救けの道の障りに成るようでは、結構な先々の理を治めてやる事が出来なくなってしまうから、そのような残念な理を、一時の苦しみの理に変えて祓ってやろうとする処の、真実誠の身上の理である事も分からんではいかんで。)
この話早く諭したいなれど、邪魔になるものがありてどうもならん。
(このだけの話を早く諭したいなれど、邪魔になるものがありてどうもならんと言うのや。)
運ぶ力の理が無いからどうもならん。
(邪魔なものというは皆々の心一つであって、素直に聞き分けて運ぶだけの力の理が無いからどうもならんと言うのや。)
何時世上に一つの理のあるも分からんから、談示の話伝えてくれるよう。
(何時世上に置いて、どれだけ心を尽くしてやっても神の話を聞き分ける事が出来ない濁り心は、すっきりとこの世から片付けてしまわなければならないという一つの理のある事も分からんから、これだけの談示の話を速やかに伝えてくれるようと言うのやで。)
内々にもいかなるも、たんのう早く治めにゃなろうまい。
(又内々にも同じ事が言えるのであって、いかなる者も勇んで神の思惑どおりの道を運ぶようにならなければ、すっきりとこの世から片づけられてしまう日が来るのやから、どのような中も満足たんのう治める誠の心を一日も早く治めにゃなろうまいと言うのや。)
辺所の処はあという思やん分かろうまい。
(神の話を素直に聞き分ける事が出来ない辺所の処は、何事も後回しに成らざるを得ないという真実の思やんも分かろうまい。)
そこで刻限事情を以て諭し置くという。
(そこで、そのような事に成らないよう、その日が来る前に、明らか鮮やかな刻限事情を以て諭し置くと言うのや。)
明治二十四年五月十五日 午後十一時二十五分
刻限
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さあ/\やれ/\、さあ/\何が言い掛けるやら分からん。さあ/\えらい道が出掛けた。さあ/\一寸なら何も知らん。知らん者が何にも知らん。さあ/\何を始めるとも分からん。さあ/\これまで通り来たる道、どうなりこうなり世界の端くれ。あちらの木がゆら/\こちらの木がゆら/\、何にも分からん知らせん者が出入りして居た。一寸の事情一寸のとばしりが出掛けた。この者あの者一寸とばしり。何処までもうろ/\、あちらへうろ/\して居る。どんな事が始めるやら、こんな事、愚な事、どんな事が始めるやら、こんな事愚な者。ほんの障り、どんな風吹くやら、こんな風吹くやら、神なら神だけ、とばしりだけの事。さあ/\道を始め掛けたら、追々道が始まる。いつも春は春、春のように思うて居てはころりと違う。いつでも花の咲くように思うて居るから分からせん。何処からどんな風吹くやら、どんな風あたるやら、さあ/\どんな風吹くやら雨が降るやら知りゃせん。何の楽しみもありゃせん。一寸とばしりも掛かる。これが分からん。花の咲く旬、何ぼどうしたて、旬が来にゃ咲きはせん。風が吹く、雨と天気と待つけれど、大風だけはどんな者でも風は待たん。危なき道があるからちゃんと聞かしてある。どんな事見るやら聞くやら案じてばかり居る。又一つの話して聞かす。何を言うても、皆、道道々の話、それ/\どうもとばしりだけでも驚く。何時どんな事見るやら、聞くやら分からせん。内々だけの心得だけの事情あるやろう。どんだけ心持ったとて、何処に聞かすのやない言うのやない。これを留めて持って置かにゃならん。ちゃんと聞いて置け。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さあ/\やれ/\、さあ/\何が言い掛けるやら分からん。
(さあ/\やれ/\、さあ/\何が元で、何を言い掛けるやら分からんで。)
さあ/\えらい道が出掛けた。
(さあ/\後にも先にも無いえらい道が出掛けたと言うのや。)
さあ/\一寸なら何も知らん。
(さあ/\これ迄のような、ほんの一寸の真似事の道を運んで来たなら、これから創まる世界救けの本道については何も知らんという事やで。)
知らん者が何にも知らん。
(何も知らん者が何人集まっても、なすべき事も世界治まる天の道理も、何にも知らんという事や。)
さあ/\何を始めるとも分からん。
(さあ/\知ろうが知るまいが、神が何を始め掛けるとも分からんで。)
さあ/\これまで通り来たる道、どうなりこうなり世界の端くれ。
(さあ/\これまで皆々が通り来たる道は、どうなりこうなりの世界救けの道の端くれやで。)
あちらの木がゆら/\こちらの木がゆら/\、何にも分からん知らせん者が出入りして居た。
(それによって、あちらの木がゆら/\こちらの木がゆら/\したのであるが、これまでの道というは、何にも分からん者や何にも知らせん者が、人間の勝手な理を以て神の道に出入りをして居たという処や。)
一寸の事情一寸のとばしりが出掛けた。
(そのような事であるから、勝手な人間の理が神の道の邪魔に成るという一寸やそっとではない残念の事情を速やかに改めなければならないという理が働き、一寸やそっとではない果たしの道のとばしりが出掛けたと言うのやで。)
この者あの者一寸とばしり。
(それによって、この者もあの者も、一寸やそっとではないとばしりの道を通る事に成るのや。)
何処までもうろ/\、あちらへうろ/\して居る。
(何処までも心一つの道である事が分からないから、定めた誠一つを受け取って神に連れて通して貰う事が出来ないまま、こちらへうろ/\、あちらへうろ/\して居るという処や。)
どんな事が始めるやら、こんな事、愚な事、どんな事が始めるやら、こんな事愚な者。
(澄み切った真実を定めて神に連れて通して貰う事が出来ないから、どんな事が原因で何を始められるやら分からず、何も分からないから、こんな事は世界救けの為にならないと思うような愚な事ばかりするのであって、又そのような愚かな事情を改める為にどんな事が始め掛けられるやらも分からないから、こんな事をしてはならないというような、愚な事をする者ばかりだと言うのや。)
ほんの障り、どんな風吹くやら、こんな風吹くやら、神なら神だけ、とばしりだけの事。
(なれど未だ未だほんの触りであって、世界中の大掃除が創まれば、世界中の濁りを吹き飛ばす為のどんな風が吹くやら分からず、又どうにもならない濁り心をすっきりと片づけてしまう為のこんな怖い恐ろしい風が吹くやら分からないが、遁れる道は神一条の道ただ一つであって、真実誠の神一条の道なら、何事も神の思惑どおりに運ばせて貰おうとする澄み切った心だけが安心安全に連れて通して貰えるのであって、それさえ治まれば、ほんのとばしりだけの事というように成るのやで。)
さあ/\道を始め掛けたら、追々道が始まる。
(さあ/\有無を言わさぬ世界中の大掃除の道を始め掛けたら、何が何でも神に従おうとする澄み切った心だけがこの世に残される事に成るから、追々と真実誠の神一条の道が始まるのと言うのや。)
いつも春は春の理であるが、春のように思うて居てはころりと違う。
(いつも春は春の理であるが、種を撒きさえすれば何時でも結構な花が咲く春のように思うて居てはころりと違うで。)
いつでも花の咲くように思うて居るから分からせん。
(いつでも花の咲く春の道のように思うて居るから、何処まで行っても人間の思うようにならない真実誠の種蒔きの道を運んで満足たんのう治める理によって、結構な先々の理が治まるという事が分からせんのや。)
何処からどんな風吹くやら、どんな風あたるやら、さあ/\どんな風吹くやら雨が降るやら知りゃせん。
(そのような残念な事情を改める為に、何処からどんな恐ろしい風が吹くやら、どんな怖い風にあたるやら分からんが、さあ/\何事も神のさしづどおりに運ばせて貰おうという澄み切った真実が定まらなければ、その残念な心を改める為のどんな恐ろしい風が吹くやら、そのような残念な心をすっきりとこの世から洗い流してしまう為の、どんな怖い恐ろしい雨が降るやら知りゃせんと言うのや。)
何の楽しみもありゃせん。
(濁り切った人間心を捨て切って、何事も神の思惑どおりに運ぼうとする澄み切った心が定まらなければ、その誠を受け取って安心安全に連れて通す事が出来ないから、何の楽しみもありゃせんと言うのや。)
一寸とばしりも掛かる。
(そのような残念な心を改める為に、一寸やそっとではないとばしりも掛かるのやで。)
これが分からん。
(これだけの事が分からんではいかんで。)
花の咲く旬、何ぼどうしたて、旬が来にゃ咲きはせん。
(結構な花の咲く旬というは、何ぼどうしたて、神の教えどおりの道を速やかに運んだという真実誠の種がなければならないのであって、その上更に、何処まで行っても人間の思うように成らん修理肥やしの道に満足たんのう貫いたという、善き旬が来にゃ咲きはせんのや。)
風が吹く、雨と天気と待つけれど、大風だけはどんな者でも風は待たん。
(風が吹く理〈一時の苦労艱難の理に変えて心の濁りを掃除して下さる日々の神様のお働き〉によってそれぞれの運命が改められる事を知って、その為の雨と天気と風は待つけれど、速やかに聞き分ける事が出来ない心の濁りを吹き飛ばす為の大風だけは皆恐れるが、どんな者でも、どうにもならない濁り心をすっきりとこの世から片づけてしまう為の怖い恐ろしい風は待たんで。)
危なき道があるからちゃんと聞かしてある。
(そのような危なき道が見えてあるから、それを事前に改める為の果たしの道であると、ちゃんと聞かしてあるであろう。)
どんな事見るやら聞くやら案じてばかり居る。
(それだけの道である事が分からないから、素直に神の思惑どおりの道を運ぼうとする誠一つも定められず、このまま行けば先々どんな恐ろしい事を見るやら聞くやら分からんと、案じてばかり居るのや。)
又一つの話して聞かす。
(そんな事であるから、又一つの話をして、一日も早く澄み切った真実を定められるよう聞かすのやで。)
何を言うても、皆、道道々の話、それ/\どうもとばしりだけでも驚く。
(神が何を言うても、皆、自分達の都合の良い道道々の話ばかりを持ち出すから、そのようなそれ/\の心を改めてろうとするのだが、どうもそのとばしりだけでも驚くというような事に成るのや。)
何時どんな事見るやら、聞くやら分からせん。
(速やかに神の話を聞き分ける事が出来ないから、何時どんな恐ろしい事を見るやら、聞くやら分からせんと言うて居るのや。)
内々だけの心得だけの事情あるやろう。
(治まる理はどのような事も神と一体と成って尽くそうとする内々の理だけの事であって、神が伝えようとする理は、その為の心得だけの事情であると言うてあるやろう。)
どんだけ心持ったとて、何処に聞かすのやない言うのやない。
(又どんだけ神の思惑に沿おうとする澄み切った心を持ったとて、それによって先々の道が不安だというような話は、何処に聞かすのやない言うのやないで。)
これを留めて持って置かにゃならん。
(どのような事に成ろうとも、神が先々を見定めて連れて通す最善の道であるから、どのような中も神を信じて満足たんのう貫く理が第一だと、これだけの理を心に留めて持って置かにゃならんで。)
ちゃんと聞いて置け。
(どのような事に成っても道を外さないよう、ちゃんと聞いて置けと言うのやで。)
明治二十四年五月十八日 午後十一時
刻限御話
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さあ/\遠いで/\。話は遠いで/\。遠い所の話や/\。どんな遠い所から、遥遥の道、遥々の里、よう/\の日が近づき出て来た。広い/\道と言うて出て来た。国という処だん/\渡り、日本国と言うたら、大変な小さい国といえど土地里、よく/\の事情掛かるや否やの道があって、遠い事情より遥々の道、これまで仇々のその仇。何でも思い/\の道があれど、我が俺がの中に一ついろ/\の道、いろいろの理から、一寸事情一時ならん、どうでもこうでもならん。叢雲の中にどんならん者がある。夜々という、どれ程遠くといえど、心という理は同じ理、その場の深き話、これまでだん/\説いた話は長い話、くどい話。今というて今には出ようまい。なれど時節一日の日をよう聞き分け。年限の道というは一日の日に始まる。一時暫くという。まあ微かの事なら、やれ/\事情治まれど、時節という理がある。時節と話した理は出にゃならん。古い話年限分かろうまい。世界中、どんな道もある。分からん/\の中に、心の理がある。心の理によりて寄せる。心の理は一般一つといえど、幾重の理もある。一寸の話には出来ようまい。一日の日や/\と一寸話し掛けたる。一日の日というは大きい話、前々より諭したる。どんな道があってもおめ恐れるやないで。これまでにも諭してある。内々胸の思やんが第一。どうでもこうでも連れて通らにゃならん。踏ん張らにゃならんという理で刻限今一時の処、もう/\身が迫る。身が迫るやない、世界が迫るから皆寄せる。一点の理を見せる。いかなる道も見えて来る。うっかりはしては居られん、そこで身に障り。あちらの事情が走り身上が迫る。身上迫るやない、世界の道が迫る。どんな道が見えても案じる事は無い。恐れるも心、案じるも心、勇むも心、皆々の心を寄せてよく聞いて置かねばならん。包み/\て胸の内、遠くいかなるも心一つの道、心一つの理をめん/\一時という。どんな事がありても、辺所ではどんな難儀が起こるやら知れん。皆承知をして居れば、その日が来てもほんにあの事情かと、心に楽しむ。いっぱしどういう事情になるとも、日本一つの道がある。こうがある。神一条と言うてある。分からんやあろうまい。案じる事は要らん。天より始めた一つの道を治めるという。
さあ/\遠いで/\。
(さあ/\目指す道は遠いで/\。)
話は遠いで/\。
(遠い道を、誰もが皆勇んで運ぶようと諭す天然自然順序の話は遠いで/\。)
遠い所の話や/\。
(人間の力ではどうする事も出来ない、遠い処の話や/\。)
どんな遠い所から、遥遥の道、遥々の里、よう/\の日が近づき出て来た。
(どんな遠い所から連れて来られたか分からない者達が、速やかに元の泥海に還さなければならない程濁り切った人間世界を救けようとして、元の神が創め掛けた遥遥の道を、段々聞き分けて運ぶ理によって、遥々の里〈長い年限を掛けて治まる処の、世界治まりの理と成る元のぢばの理〉が治まり掛けるというよう/\の日が近づき、それによって元のをやが出て来たと言うのや。)
広い/\道と言うて出て来た。
(神をないがしろにして破滅の淵へまっしぐらに進む人間世界を救ける為には、その元と成る人間支配の道理をすっきり止めて、一列平等で互い救け合いの世界に立て直す為の神の一列支配の道に改めなければならないのやから、その邪魔をする濁り心を跡形もなく片付けて、喜んで神の話を聞き分ける綺麗な心ばかりに改める為の、広い/\道を拵えなければならないと言うて出て来たのやで。)
国という処だん/\渡り、日本国と言うたら、大変な小さい国といえど土地里、よく/\の事情掛かるや否やの道があって、遠い事情より遥々の道、これまで仇々のその仇。
(その為の神の道具となる者を探し求めて、世界中の国々を飛び回るという処からだん/\に渡り来たのであるが、世界救けを創め掛ける元の日本国と言うたら、大変な小さい国といえど世界中の人間が生まれ育った元の土地里であるから、その土地里に置いて、何処まで行っても人間の思うようにならない天の救け道に満足たんのう治めて運んだ誠一つを受け取って、神が救けるというよく/\の事情に掛かるや否や、長い年限の間に積み重ねた悪因縁が祓われて、結構な先々の理が治まるという天の救け道がある事によって、そうして通り抜けた誠の理を世界中に写し出して、世界中に同じ心を治めさそうとする遠い事情より創め掛けた遥々の道であるが、その為の道具として寄せ集めた皆々は、これまでの仇々のその仇というような間柄の者ばかりやで。)
何でも思い/\の道があれど、我が俺がの中に一ついろ/\の道、いろいろの理から、一寸事情一時ならん、どうでもこうでもならん。
(そのような間柄であればこそ、何でもそれぞれの思い/\の道があれど、我が俺がの道の中に一つのいろ/\の残念の道がある事によって、いろいろの果たしの理から運ぶのであるが、長い年限争い合った悪因縁や、山のように積み重ねた親不孝因縁を果たす為には、一寸には聞き分けられない難しい事情や、一時の処は何処まで行っても人間の思うようにならん苦しみの道の中を、どうでもこうでも満足たんのう治めて運ばにゃならんのやで。)
叢(むら)雲(くも)
の中にどんならん者がある。
(色々な苦しみの道の中を満足たんのう治めなければならないというは、引き寄せた叢雲〈私達の姿であって、むらがる雲り心のようなもの〉の中に、容易に神の話を聞き分ける事が出来ないという、どんならんもの〈濁り心〉があるからや。)
夜々という、どれ程遠くといえど、心という理は同じ理、その場の深き話、これまでだん/\説いた話は長い話、くどい話。
(そのような濁り心を洗い切って、結構な先々の理を治めさそうとして創め掛けた道は、何も見えない何も分からない夜々の道というのであって、それがどれ程遠くの道といえど、無条件で神の思惑に沿おうとする誠の心という理は、速やかに神が受け取って自由自在に働く理と同じ理であるから、治まる道はその場の心一つだという深き話をするのであり、それを素直に聞き分けて貰おうとしてこれまでだん/\説いたる話は、何処まで行っても人間の思うようにならない神の救け道を自ら求めて運び、満足たんのう治める事が出来なければ、山のように積み重ねた悪因縁は祓われず、結構な先々の理は治まらないという長い話をするのであって、それより他に道は無いと説く、くどい話ばかりやで。)
今というて今には出ようまい。
(なれど、今直ぐにそれだけの理を聞き分けて運ぶようと言うても、今直ぐには出来ようまい。)
なれど時節一日の日をよう聞き分け。
(直ぐには出来ないなれど、それだけの理が速やかに治まる時節を迎える為の、真実誠の一日の日をよう聞き分けるようと言うのや。)
年限の道というは一日の日に始まる。
(結構な先々の理を治める為の年限の道というは、これからはどのような事も神様の思惑に沿わせて頂こうと定まった、一日の日に始まるのやで。)
一時暫くという。
(それだけの理が定まるなら、山のように積み重ねた悪因縁を払って結構な先々の理を治める為の、一時暫くの苦労艱難の道を運ぶという事に成ると言うのや。)
まあ
微か(かすか)の事なら、やれ/\事情治まれど、時節という理がある。
(そうして運ぶ苦しみの道が、まあまあの微かな事なら、やれ/\良かったなあというような事情で治まれど、あらゆる悪因縁を果たして何時何時までも結構に治まる為には、何処まで行っても人間の思うようにならない神の救け道に満足たんのう貫いた時節という、成るべき理があるのやで。)
時節と話した理は出にゃならん。
(末永く結構に生かされる為には、自ら求めて神の思惑どおりの道を運んだ時節がなければならないと話した理は、どうでも治めて出にゃならんのや。)
古い話年限分かろうまい。
(それを知らす為の教祖ひながたの道という古い話は、結構な先々の理を治めるどころか、人として生き永らえる為には、誰もが皆聞き分けて運ばなければならない年限の道であるという事が、容易に分かろうまい。)
世界中、どんな道もある。
(又このような話を聞かされていない世界中には、どんな道もあるのやで。)
分からん/\の中に、心の理がある。
(どんな道もある中の、分からん/\と言う道の中には、自分の思い描いた道を容易に捨てられないという心の理があるのや。)
心の理によりて寄せる。
(それをどうのこうのと言うのでは無く、その心の理によりて神が引き寄せると言うのや。)
心の理は一般一つといえど、幾重の理もある。
(そのような心の理は、一般的にはそれぞれの事情や周りの者を思う一つのものといえど、その中には幾重の理もあるのやで。)
一寸の話には出来ようまい。
(幾重の理と言うからには、一寸の話には出来ようまい。)
一日の日や/\と一寸話し掛けたる。
(その中でも喜んで神が受け取って働く理は、これからは何事も神の思惑どおりに運ぼうとする一日の日の定まった理や/\と、一寸話し掛けたるであろう。)
一日の日というは大きい話、前々より諭したる。
(一日の日というは、それぞれの運命を改める為の元一日の理であるから、その理を世界中に写し出して世界中に同じ道を通す為の真実誠のひながたと成るという大きい話だと、前々より諭したるであろう。)
どんな道があってもおめ恐れるやないで。
(一日の日さえ定まれば、世界救けの為に無くてはならないその大事な心を守り通す為に神が働かなければならないのやから、どんな道があってもおめ恐れるやないで。)
これまでにも諭してある。
(それだけの道である事は、これまでにも諭してあるであろう。)
内々胸の思やんが第一。
(そうであるから、澄み切った内々の胸の思やんが第一だと言うのや。)
どうでもこうでも連れて通らにゃならん。
(それだけの澄み切った精神さえ定まれば、道の為世界救けの為の善きひながたとする為に、どうでもこうでも神が連れて通らにゃならんのや。)
踏ん張らにゃならんという理で刻限今一時の処、もう/\身が迫る。
(道の為世界の為、己の為にも、これからは何事も神様の思惑どおりに運ばせて頂こうという澄み切った精神を定めて踏ん張らにゃならんという理で以て、刻限の話を伝えて居るのだが、今一時の処でそれだけの理を聞き分ける事が出来なければ、もう/\直ぐに身が迫るという事に成るのや。)
身が迫るやない、世界が迫るから皆寄せる。
(身が迫るやないで、早く救けてくれと世界が迫るから、今の今それを聞き分けて尽くして置かなければ、先々の道が取り返しの付かない事になると言うて皆々を寄せるのや。)
一点の理を見せる。
(速やかにそれを聞き分けて運びさえすれば、どうでもこうでも神が守り通すという一点の理を見せるで。)
いかなる道も見えて来る。
(どうでもこうでも神が連れて通すからには、いかなる道も見えて来るのやで。)
うっかりはしては居られん、そこで身に障り。
(それ程の重大な理であるから、うっかりはしては居られんと知らさなければならず、そこで身に障りが出るのや。)
あちらの事情が走り身上が迫る。
(末永く人として結構に生かされる為には、何事も神の思惑どおりの道を運ばなければならないと知らす理によって、あちらこちらの事情が走り、今の内に聞き分けて運んで置かなければ取り返しの付かない事に成ると、身上が迫るのや。)
身上迫るやない、世界の道が迫る。
(なれど、身上が迫るやないで、今の今聞き分けて運んで置かないと、先々の道がどうにもならない事に成ると世界の道が迫るのや。)
どんな道が見えても案じる事は無い。
(速やかに聞き分けて運びさえすれば、先々にどんな道が見えても案じる事は無いで。)
恐れるも心、案じるも心、勇むも心、皆々の心を寄せてよく聞いて置かねばならん。
(何を恐れるも心一つであって、案じるも心一つ、勇むも心一つの道であるから、色々な皆々の心を寄せて、色々な道の台を拵えるという理をよく聞いて置かねばならんで。)
包み/\て胸の内、遠くいかなるも心一つの道、心一つの理をめん/\一時という。
(包み/\て胸の内と言うが、神の思惑から遠く離れた道も、いかなる道も面々の心一つの道であるから、これからは何事も神の思惑どおりに運ぼうとする澄み切った心一つの理をめん/\が定めるなら、どのような中も結構な道に成るべく、一事〈必然的〉に治まると言うのや。)
どんな事がありても、辺所ではどんな難儀が起こるやら知れん。
(何事も神の思惑に沿おうとする誠一つが定まるなら、どんな事がありても結構に治まるが、神の思惑が容易に伝わらない辺所の道では、どんな難儀が起こるやら知れんで。)
皆承知をして居れば、その日が来てもほんにあの事情かと、心に楽しむ。
(それだけの理を皆が承知をして居れば、その日が来ても、ああ、ほんにあの事情かと、心に楽しむ事が出来るであろう。)
いっぱしどういう事情になるとも、日本一つの道がある。
(そのようないっぱしの道を皆々が運ぶなら、どういう事情になるとも、日本から創め掛ける処の、世界治まる一つの道があると言うのや。)
こうがある。
(そうであるから、どうでもこうでも聞き分けて運ばなければならないと言うのや。)
神一条と言うてある。
(何事も結構に治まる一つの道は、これからは何事も神の思惑どおりに運ばせて貰おうと定まった真実誠の神一条の道ただ一つだと、言うてあるであろう。)
分からんやあろうまい。
(それだけの理が分からんやあろうまい。)
案じる事は要らん。
(それだけの理を速やかに聞き分けて運ぼうとするなら、何も案じる事は要らんで。)
天より始めた一つの道を治めるという
(何事も神の思惑どおりに運ばせて貰おうと定まった理によって、天より始め掛けた一つの道を治めるという事に成るのや。)
十月のおさしづ
明治二十四年十月八日(陰暦九月六日)夜十一時
本席御身上足の左付けぎわより腹に掛け、固まり差し込みあるに付伺
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さあ/\十分刻限知らす、刻限を知らす。刻限まで何にも言わんで。刻限を待たねばならん。
さあ/\何時やら知れん。その用意をして置かねばならん。程無う/\刻限渡るなら、何時知らさにゃならん。
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さあ/\十分刻限知らす、刻限を知らす。
(さあ/\十分の刻限の理を知らすで、誰もが皆速やかに聞き分けて運ばなければならない明らか鮮やかな刻限の理を以て知らすと言うのや。)
刻限まで何にも言わんで。
(なれど、皆々の心に治まるべき旬刻限が来るまでは神は何にも言わんで。)
刻限を待たねばならん。
(真実に神の思惑どおりの道を運ぼうとするなら、皆々の心に治まるべき旬刻限が来るのを待たねばならんと言うのや。)
さあ/\何時やら知れん。
(さあ/\それが何時の事やら知れんで。)
その用意をして置かねばならん。
(それが何時であろうと、常々にその用意をして置かねばならんで。)
程無う/\刻限渡るなら、何時知らさにゃならん。
(程無う/\刻限の時節に渡るなら、
何時(いつ)何時(なんどき)であろうと知らさにゃならんのや。)
暫くすると刻限(午後十二時)
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さあ/\打ったで。どんな事言うやら知れんで。さあ/\刻限々々話に知らせ置く。内へ戻ったらしんばしらに伝えくれ。急いであった/\、思わく尋ねるか。又々の道を運び掛け。自由しんばしら、万事どういう事掛かる。他に一つこれまで尋ねにゃならん。人間心を集め/\事情尋ねるまで、事情あって事情諭し置く。どんなに思うたとて実々生涯諭してある。何よの事、人間心に持って尋ねるまで。それ/\一つの話事情定め替えて、一つの初め治めにゃならん。神の言う事要らん、めんめん要らん。それ/\一つ事情治めて了う。談示あるなら人間心に持って、尋ねるまで。思わく事情、一時々々治まりという。さしづ勝手する。しんばしら帰ったら話せねばいかんで。
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さあ/\打ったで。
(さあ/\打ったで〈皆々の心に治まるべき旬刻限に差し掛かったで〉。)
どんな事言うやら知れんで。
(それによって、どんな事を言うやら知れんで。)
さあ/\刻限々々話に知らせ置く。
(さあ/\誰もが皆速やかに聞き分けて運ばなければならないと、明らか鮮やかな刻限々々話にて知らせ置くと言うのや。)
内へ戻ったらしんばしらに伝えくれ。
(内〈しんばしらの服務する務め場所〉へ戻ったら、速やかにしんばしらに伝えてくれるよう。)
急いであった/\、思わく尋ねるか。
(神が急いであった/\と伝え、真実誠の神の思わくを尋ねて出る意志が有るかどうかと伝えるよう。)
又々の道を運び掛け。
(何事も尋ねて運ぼうとする誠が有るなら、成程と承知が出来るまで、何度でも尋ね掛けて運ぶという、又々の道を運び掛けるようと伝えるのやで 。)
自由しんばしら、万事どういう事掛かる。
(神の思惑が自由自在にしんばしらに伝わる理によって、万事どういう事に掛かるやら分からんでな。)
他に一つこれまで尋ねにゃならん。
(他に一つの話を伝えなければならない事が有るから、これまでも尋ねにゃならんと言うてあるのや。)
人間心を集め/\事情尋ねるまで、事情あって事情諭し置く。
(色々な人間心を集め/\て道を創め掛け、治まる事情は尋ねて出るまでの事情であって、その事情が世界導く真実誠の道の台と成ると諭し置くのや。)
どんなに思うたとて実々生涯諭してある。
(どんなに人間の心で思うたとて治まらないが、何事も神の思惑どおりに運ぼうとする実々の理によって、生涯末代結構に治まると諭してあるのや。)
何よの事、人間心に持って尋ねるまで。
(何世の事も、人間心に持って運ぶのでは無く、どのような事も神の思惑に沿おうとして、尋ねて出るまでの理によって、結構に治まると言うのや。)
それ/\一つの話事情定め替えて、一つの初め治めにゃならん。
(それ/\が、これからは何事も神の思惑どおりに治めなければならないという一つの話の事情に定め替えて、どのような事も神の思惑を尋ねて出るという、一つの初め掛けの理を治めにゃならんのや。)
神の言う事要らん、めんめん要らん。
(神の言う事を疑う事は要らんで、疑うなら、めんめんの道も要らんという事に成るのや。)
それ/\一つ事情治めて了う。
(何事も皆々の心どおりに治めなければならないから、どのような事も、それ/\の日々の心一つの事情によって治めて了うと言うのや。)
談示あるなら人間心に持って、尋ねるまで。
(談示によって道の理を尋ねる者があるなら、何事も人間心に持ってするのではなく、分かっても分からなくても神のさしづどおりに運ばせて貰おうとする誠一つを定めて、尋ねて出るまでの理によって治まる、と伝えるのやで。)
思わく事情、一時々々治まりという。
(何事も神様の思わくどおりに運ぼうとする澄み切った事情によって、一事々々の〈必然的、不可避の〉治まりの理が働くと言うのや。)
さしづ勝手する。
(何事もさしづどおりに運ぼうとする精神が定まらなければ、どのような事も人間の勝手をするという事に成るのやで。)
しんばしら帰ったら話せねばいかんで。
(しんばしらが帰ったら、これだけの事を神が伝えたと話しせねばいかんで。)
十一月のおさしづ
明治二十四年十一月九日 午前一時半頃の二つのおさしづに引き続き刻限の御話
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さあ/\ウヽヽヽヽヽ、さあ/\/\刻限々々を以て話し掛ける。刻限を以て話し掛ける。これまで/\というは長い道中、いかなる道、代々の事情/\、これまでこれまで/\事情を話し掛けるという。事情を話し掛ける。よく聞き分けにゃならん。第一事情の理を聞かそ。一寸には筆先にも尽されよまい。身上の理と、刻限の理と心の理、第一事情身上一条から事情立ち掛けるなら、いかなる理も治まるやろう。皆んな世上という理を思い、運ぶ処の理を思い、めん/\大きい取ろか思い思いの心、これまで何度口説き話、いかなる心の理というは、たゞ一時の理が分からんから是非々々の道を通り来たる。めん/\いかなる。俺はこうして居れど、代々の道は治めにゃならん。難しい事やない。始め掛けた道、知らず/\の道ほのかの処より始まりた道、筆にいろ/\尽したる事情話し、これから神一条の理、世界の理、さあどういう事定めながら捜さにゃ分からん道やあろまい。分からんから尋ねる。尋ねるから諭しよう。諭した通りの道を通るから、神の道。何箇年めん/\察したる話、これまで知らず/\の道やあろまい。どんな事情があれど、皆んな連れて帰る事情。しんばしらと言えば、一戸のものなら、世界の理から見れば、一戸一つの理に取る。なれど神やしき神一条の道、身の処心散乱さそうというような理で始めた道が、日々事情心言わず/\の理はあろまい。語らず/\の理はあろまい。世上から集めて取次という。取次なら話さにゃなろまい。神一条の事情なら神一条道が無けりゃなろまい。これまで善き事言えば善き事、悪しきの理も分けず、めんめん心という事情、神一条支配という。何度の事情も諭し置いたる。世上寄り来る。これから俺というめん/\心の理を持たず、諭する道を早く。これまで聞き損い取り損いやあろまい。めん/\心という理、だん/\一時の身上から聞き分けて、前前情の理を考え。これよりは内々すっきり思わん、構わん。それ/\寄せたる取次という道の処、早く心を寄せ。いかなる処も治め。十分大層又々内々へも諭してくれ。神やしきと言えば神という。神と言えば人間の理ではあろまい。尋ねば聞こえんやあろまい。一時早く定めてくれねばならん。うっとしいてならん。これは誰々とは諭されん。広く/\の心という。めん/\はこうという理は更々持たず、あちらが変わる、こちらが変わるようでは、一つの心とは言えようまい。すっきり改め替え。千里一跨げという。さあ/\事情早くという。
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さあ/\ウヽヽヽヽヽ、さあ/\/\刻限々々を以て話し掛ける。
(さあ/\ウヽヽヽヽヽ〈立て板に水のような明らか鮮やかな理の働きから私達を守って下さる為に、口に出したくても出せない親神様の思いを押し殺そうとされる雄叫びであって、堪え難い苦しみに堪えられながら〉、さあ/\/\明らか鮮やかな刻限々々を以て話し掛けるで。 〈と、何事も無かったかの如く諭し掛けて下さる〉 )
刻限を以て話し掛ける。
(誰もが皆末永く人として生き永らえる為には、どうでも聞き分けて運ばなければならない刻限の理を以て話し掛けるで。)
これまで/\というは長い道中、いかなる道、代々の事情/\、これまでこれまで/\事情を話し掛けるという。
(これまで/\の道というは、多くの者に取っては何も見えない何も分からないという長い道中であったが、いかなる道も、長い間をやの思惑に背き続けたという代々の残念な事情/\を祓って、末永く人として生かされる為の澄み切った心に改める為であるから、これまでこれまで/\に積み重ねた山のような悪因縁の果たしの事情を、自ら求めて運ぶようと話し掛けるばかりであったというのや
。)
事情を話し掛ける。
(どのような中も、皆それぞれの心どおりに運ぶ事に成るという事情を話し掛けるで。)
よく聞き分けにゃならん。
(それぞれの心どおりに連れて通す道であるから、何事もをやの思惑に背かないよう、よく聞き分けにゃならんで。)
第一事情の理を聞かそ。
(どのような中も安心安全に連れて通そうとする第一の事情の理を聞かそうと言うのや。)
一寸には筆先にも尽されよまい。
(それだけの理を知らす教祖ひながたの道というは、有る物を全て道の為世界の為に尽くし果たし、生涯何の楽しみも無く通り抜けたという、一寸には筆先にも書かれない長い苦しみの道であるから、人間の力を以って通ろうとするなら、容易には尽されようまいと言うのや。)
身上の理と、刻限の理と心の理、第一事情身上一条から事情立ち掛けるなら、いかなる理も治まるやろう。
(そのような中を安心安全に連れて通して貰う為には、どんな者も道の遅れをさせまいとする真実誠の身上の理と、どのような中も立ち直らせて結構に連れて通そうとする明らか鮮やかな刻限の理と、どんな中も神に守り通して貰える澄み切った心の理を、速やかに聞き分けて運ぶようと諭して居るが、どのような中も綺麗に治まる第一の事情というは、身も心も天に供えて道の為世界の為に尽くすという身上一条の理から道の事情を立ち掛けるなら、いかなる理も治まるやろう。)
皆んな世上という理を思い、運ぶ処の理を思い、めん/\大きい取ろか思い思いの心、これまで何度口説き話、いかなる心の理というは、たゞ一時の理が分からんから是非々々の道を通り来たる。
(定めた心一つでどのような中も安心安全に守られるという事が分からんから、皆んな世上という理を第一に思い、人間心で運ぶ処の残念な理を思い、めん/\に大きい取ろかどうしょうかと思い思いの心を持ち運んで居るが、これまで何度も口説き詰めたる話の中の、いかなる中も結構に治まる誠の心の理というは、たゞたゞ道の為世界の為に尽くそうとする一事の理によって治まると伝えて居る事が分からんから、是非々々の道〈何としてでも救けてやりたい為に、最低限の救けの理である大難小難の道〉を連れて通り来たるのやで。)
めん/\いかなる。
(めん/\がいかなる心を働かせようと、神の方には、皆々の胸の内と先々の道が皆見えてあるから、そうしなければならんのやで。)
俺はこうして居れど、代々の道は治めにゃならん。
(今の俺はこうして居れど、いずれは神様の教えどおりの代々の道は治めにゃならん、と、思う者もあるであろう。)
難しい事やない。
(そのような心が先々で治まるなら、いずれは心どおりの道に成るよう神が連れて通すから、難しい事やないで。)
始め掛けた道、知らず/\の道ほのかの処より始まりた道、筆にいろ/\尽したる事情話し、これから神一条の理、世界の理、さあどういう事定めながら捜さにゃ分からん道やあろまい。
(いずれ治まる皆々の誠を見定めて始め掛けた道というは、皆々にとっては知らず/\の道であって、ほのかの真実を思う処より始まりた道であるが、その中を安心安全に連れて通して貰う為には、筆に付けたる処の、胸の掃除の為のひながた同様の道を自ら求めて運び、道の為世界救けの為にいろ/\尽したる事情より他は無いと話して居るが、これから先は神一条の理より他は治まらないのであって、世界の為に尽くす理より他に浮かぶ道は無いのやから、さあどういう事を定めながら、神に勇み出て貰えるだけの澄み切った理を捜さにゃならんという事が、分からんような道やあろまい。)
分からんから尋ねる。
(たとえそれが分からなくても、分からんから尋ねる理によって治まるのやで。)
尋ねるから諭しよう。
(分かろうと分かるまいと、尋ねるから諭しようという事に成るのや。)
諭した通りの道を通るから、神の道。
(諭した通りの道を通ろうとするから、神の思惑どおりの道を通るという事に成るのやで。)
何箇年めん/\察したる話、これまで知らず/\の道やあろまい。
(何箇年も掛けてめん/\が察したる話というは、これまで幾重にも通りて来た道であるから、知らず/\の道やあろまい。)
どんな事情があれど、皆んな連れて帰る事情。
(なんぼ諭しても分からない事情やどんな事情があれど、皆んな連れて帰るのが真実誠の神一条の事情やで。)
しんばしらと言えば、一戸のものなら、世界の理から見れば、一戸一つの理に取る。
(しんばしらと言えば、一戸のものなら家長の理であるが、世界の理から見れば、世界中は皆同じ一胎一種から産まれだしたという一戸の理であるから、治まるべきしんばしらの理というは、身も心も天に供えて道の為世界の為に尽くすという一つの理に取るのや。)
なれど神やしき神一条の道、身の処心散乱さそうというような理で始めた道が、日々事情心言わず/\の理はあろまい。
(容易には定められない澄み切った真実を受け取って神が働くと言うなれど、神やしきというは、出来るだけ無理の無いよう世界一列を救けたいという神一条の道であるから、身の処や心を散乱さそうというような理で始め掛けた道では無いという事が分からねばならないが、何処まで行っても人間の思うようにならない日々の道の中を満足たんのう治めて運ぶ事情や、何事も速やかに聞き分けて運ぶ心が無ければ安心安全に治まる道では無いという事を、言わず/\の理で治まるような道ではあろうまい。)
語らず/\の理はあろまい。
(それだけの道であると分かって居ながら、語らず/\の理で治まる道ではあろうまい。)
世上から集めて取次という。
(ほのかな真実を思う者を、世上から集めて取次というのや。)
取次なら話さにゃなろまい。
(神の代理となって働く為の取次なら、真実誠の神の思惑を話さにゃなろうまい。)
神一条の事情なら神一条道が無けりゃなろまい。
(神一条の事情を伝えようとするなら、自ら求めて神の思惑どおりの道を運ぼうとする神一条の道が無けりゃなろうまい。)
これまで善き事言えば善き事、悪しきの理も分けず、めんめん心という事情、神一条支配という。
(これまでに伝えたる処の善き事言えば、濁り切った胸の掃除の為のひながた同様の道を自ら求めて運んだという善き事であるが、それが分からず勝手な人間の道ばかり運んだという悪しきの理も分けず、どのような道であろうと、めんめんがそれなりに尽くそうとする心を受け取って神が働くという事情が、神一条の一列支配というのやで。)
何度の事情も諭し置いたる。
(治まる理は皆々の心一つだと、何度の事情も諭し置いたるであろう。)
世上寄り来る。
(間違っていようといまいと、先々に治まる皆々の誠を受け取って神が働く理により、間違いだらけの世上も皆寄り来る事に成るのや。)
これから俺というめん/\心の理を持たず、諭する道を早く。
(どのような者も集めて始め掛ける道であって、皆五十歩百歩であるから、これからは俺が俺がという勝手なめん/\の心の理を持たず、神が諭する道を一日も早く運ぶようと言うのや。)
これまで聞き損い取り損いやあろまい。
(誰もが皆、これまで間違いだらけの道を運んで来たという事は、聞き損いや取り損いだけやあろまい。)
めん/\心という理、だん/\一時の身上から聞き分けて、前前情の理を考え。
(めん/\が速やかに聞き分けて改めなければならない心という理は、だん/\に教える一時の身上の理から聞き分けて、前前に積み重ねた残念な事情の理を考えるのやで。)
これよりは内々すっきり思わん、構わん。
(誰もが皆勝手な人間の道を通って来たのやから、これより先は勝手な内々の心はすっきりと思わんよう、勝手な他人の道を見ても、構わんよう〈意に介せぬよう〉にせねばならんで。)
それ/\寄せたる取次という道の処、早く心を寄せ。
(それと同時に、それ/\の心を見定めて寄せたる取次という者が運ぶべき道の処も聞き分けて、一日も早く、道の為世界の為に尽くそうとする誠の心を寄せねばならんで。)
いかなる処も治め。
(心次第の道であるから、いかなる処も速やかに聞き分けて治めねばならんで。)
十分大層又々内々へも諭してくれ。
(多くの者が十分に聞き分けて運ぶ大層な道を拵える為に、又々内々へも十分に諭してくれと言うのや。)
神やしきと言えば神という。
(明らか鮮やかな理の働く神やしきと言えば、どのような事も神の思惑どおりに運ぼうという澄み切った心によって治まるのや。)
神と言えば人間の理ではあろまい。
(神の道と言えば、人間心の理で治まるような道ではあろうまい。)
尋ねば聞こえんやあろまい。
(又、尋ねて出れば分かるよう胸の内から諭す道であるから、誰にも聞こえんような道やあろうまい。)
一時早く定めてくれねばならん。
(結構な先々の理を治める為には、何事も神のさしづどおりに運ぼうとする澄み切った心を一時も早く定めてくれねばならんで。)
うっとしいてならん。
(何事も神のさしづどおりに運ぶなら、大変な事に成らないか、というような、余計な心配をするから神は働けず、うっとおしいてならん、と言うのや。)
これは誰々とは諭されん。
(これは多くの者に言える事であるから、誰々とは諭されんで。)
広く/\の心という。
(もうこれ以上親不孝因縁を積み重ねない為にも、安心をして神にもたれ切るような、広く/\の心がなければならないと言うのや。)
めん/\はこうという理は更々持たず、あちらが変わる、こちらが変わるようでは、一つの心とは言えようまい。
(神が勇んで働く為の広い心を治める為には、めん/\はこうでなければならないというような勝手な人間の理は更々持たず、何事も無条件で神に従おうとする誠の心を生涯末代変わる事なく持ち運ばなければならないが、一寸した事であちらが変わる、こちらが変わるというようでは、一つの心とは言えようまい。)
すっきり改め替え。
(何時挫折するか分からない弱い人間心を、すっきり改め替える道やで。)
千里一跨げという。
(生涯末代変わる事なく、どのような中も神の思惑どおりの道を運ばせて貰おうと改め替えてこそ、千里一跨げ〈千里の道も一跨ぎにして神が働くことが出来る〉と言うのや。)
さあ/\事情早くという。
(さあ/\それだけの真実誠の神一条の事情を、一日も早く定めてくれるようと言うのや。)
明治二十四年十一月二十五日(陰暦十月二十四日)午前一時
刻限御話
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さあ/\/\やれ/\、まあ/\どうにもこうにもならんだ。あちらも運ぶ、こちらも運ぶ。どんな運びあるも及び難ない/\。だん/\計り難ない。やれ/\これまで/\どうにもならん。こうなるこうなりた道、よう/\という。その際一つ何事言うも、思うも聞くも三つ/\の理がある。これまで皆諭し置いたる。どんな道山坂通るやら、これまでさしづ、どんと計り難ない。暗がりの道、又だら/\暗がりの中明らかなものは道が付く。面白い。若き時、若き時は無い。未だ/\温味の冷めん時。わしもな一代の話、二代三代よう聞き分け。これから刻限の話、頼り頼りは刻限が頼り。間違った事諭せん。山々話説き諭せん。話々諭し合い、いかなる道も盛ん心という。山坂心に幾度心に無き道を忘れて了う。互い/\知らし合い、互い/\の研究諭し合い道という。明るき程に何程に、軽き諭ではない。
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さあ/\/\やれ/\、まあ/\どうにもこうにもならんだ。
(さあ/\/\やれ/\これまでの道というは、形ばかりのまあ/\の道であって、皆々の心を受け取って神が働こうとしても、真の心に誠が無いからどうにもこうにもならんだのや。)
あちらも運ぶ、こちらも運ぶ。
(神が受け取って働くだけの誠が無いという事は、勝手な人間の理を第一に立てながら、あちらも運ぶ、こちらも運ぶという事やで。)
どんな運びあるも及び難ない/\。
(人間の勝手な理というは、どんな真実の運びがあるとも、神の思惑どおりの道でなければ及び難ない/\という事や。)
だん/\計り難ない。
(それによってだん/\と道が外れ、計り難ない事に成るのやで。)
やれ/\これまで/\どうにもならん。
(やれ/\こんな事ではどうにもならないと思えど、これまで/\の処では、それだけの理の治まるべき年限の理に至らなかったからどうにもならなんだのや。)
こうなるこうなりた道、よう/\という。
(こうなる事によって〈治まるべき年限の理の到来によって〉、こうなりた道〈真実の理が治まった道〉というのが、よう/\の道というのやで。)
その際一つ何事言うも、思うも聞くも三つ/\の理がある。
(その際は、たった一つの治まる理である年限の理に至らないから、何事を言う事も出来ず、言う事が出来なければ思う事も出来ない、言えず思わずでは聞く事も出来ないという、三つ/\の残念の理があると言うのや。)
これまで皆諭し置いたる。
(これまでどのような理を伝えようとしても、治まるべき年限の理に至らなければ皆治まらないと諭し置いたるであろう。)
どんな道山坂通るやら、これまでさしづ、どんと計り難ない。
(治まるべき時旬の理が到来する為には、どんな茨ぐろの道や山坂を通るやら分からんとこれまでさしづして来たが、その治まるべき順序の道を逃れようとするから理は治まらず、どんと計り難ないと言うたのや。)
暗がりの道、又だら/\暗がりの中明らかなものは道が付く。
(そのような神の思惑の通じない道を暗がりの道と言うのであって、又人間の勝手な理を以てだら/\と暗がりの中を運ぶ残念な理とも言うが、明らか鮮やかな天の理を求めて神の教えどおりの道を運ぶも者には、真実誠の天の道が付くのやで。)
面白い。
(明らか鮮やかな天の道が付けば、面白い事に成るで。)
若き時、若き時は無い。
(それだけの道である事が分からない時旬を若き時と言うが、若き時に治まる理は無いのやで。)
未だ/\温味の冷めん時。
(若き時というは、未だ/\
温味(ぬくみ)の冷(さ)めん時〈未だ/\年端(としは)も行かないから、難しい事は理解出来ないであろうと甘やかし育てられる時代〉のようなものや。)
わしもな一代の話、二代三代よう聞き分け。
(そんな若き時代を、とっくの昔に通り抜けたわしもな、一代では聞き分ける事の出来なかった難しい話であったが、二代三代と生まれ変わる事によって、ようやく聞き分けられる様になったのや。)
これから刻限の話、頼り頼りは刻限が頼り。
(これだけの事から、刻限の話というは先々必ず成って来る明らかな理であると証明されているのであって、たった一つの頼り頼りに成る誠天の理は、刻限が頼りと言うのや。)
間違った事諭せん。
(必ず成って来る天の理を諭すのが刻限であるから、間違った事は諭せんのやで。)
山々話説き諭せん。
(皆々の胸に治まるべき時旬を見定めて諭す刻限の話は、山々の話が有れど、その日が来るまでは説き諭せんのやで。)
話々諭し合い、いかなる道も盛ん心という。
(治まるべき時旬が来れば、皆々の心に真実の理が写るように成るから話々や諭し合いが出来るのであって、いかなる道も盛んに治まるだけの心の理が働くと言うのや。)
山坂心に幾度心に無き道を忘れて了う。
(そのような盛んな道を治める為の、順序の理である山坂の道を、自ら求めて運ぼうとする誠の心に結構な先々の理が治まると幾度も知らして居るが、それだけの澄み切った心が定まった理によって、余計な苦労の無き安心安全な道が始まる事を忘れて了うのや。)
互い/\知らし合い、互い/\の研究諭し合い道という。
(そのような大切な天の理を互い/\に知らし合いする為に、互い/\の研究をして諭し合いをするのが道と言うのや。)
明るき程に何程に、軽き諭ではない。
(たとえそれだけの事が出来なくても、素直に聞き分けて運ぼうとする誠一つによって如何なる道も治まるという明るき話で有る程に、澄み切った真実さえ定まれば、何程に苦労しようと思っても苦労出来ないと言う真実誠の救け話であって、軽き諭では無いで。)